平成13年第4回定例会一般質問
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1)2001年を振り返って
まず最初は、2001年を振り返って、知事のご所見を伺います。
輝かしい21世紀に多くの夢を託して私たちは新年を迎えましたが、ことしも余すところあと半月、厳しい状況の中で2001年は終わろうとしております。
停滞している景気には一向に明るい兆しが見えず、銀行が抱える不良債権処理が進まないため、資金の循環を滞らせるなど、民間活力再生の大きな足かせとなっております。
また、IT景気に沸いていたアメリカ経済の落ち込みが我が国のITを中心とした大手電機メーカーの空前のリストラを誘発し、雇用情勢は中高年を中心として悪化しており、失業率は5%を上回る状況が続いております。
また、デフレーション経済により、製造業を初めとした企業の生産活力は落ち込み、あわせて農水産物においても外国からの輸入攻勢にさらされるなど、昨年よりも経済情勢は悪化し、国民生活は一段と厳しい状況に置かれています。
そんな中、9月11日にアメリカで発生した同時多発テロはすさまじく、想像を絶する非人道的なもので、世界の平和、経済に対する許すべからざる挑戦でありました。この影響ははかり知れない深刻さを持ち、社会経済に対してのみならず、下手にこじらすとアラブ・イスラムと西欧他の諸国との対立ないし戦いにまで発展する潜在的可能性を持ったものであります。
この事件の経済的インパクトは甚大であり、停滞する我が国の経済にさらに拍車をかけるものとなるおそれがあり、今後の動向に重大な関心を払わざるを得ません。
本県においても、IT関連企業の生産の落ち込みに加え、建設業を初めとした倒産が相次ぎ、また別府市の杉乃井ホテルやしにせの白雲山荘も民事再生法の適用を受け、さらに大分市においても中堅ホテルが撤退を表明するなど、極めて厳しい状況にあります。
これまで九州で優位を保ってきた有効求人倍率も、6月には全国水準を下回る結果となり、県経済の落ち込みが顕著となっております。
加えて、農林水産業においても、海外輸入品の増加に伴い、その影響により出荷額が低迷し、生産地においては採算割れを起こすなど、生産意欲が減退し、厳しい状況に立たされておりま す。
このような中、4月に国民の高い支持を受けて発足した小泉内閣は、経済財政構造改革を中心とした骨太の方針を打ち出し、これにより我が国は新たな方向を模索しようとしており、現在、新年度予算編成の中でさまざまな議論がなされております。
戦後、我が国の経済は、多少の波はありましたが、一貫して右肩上がりの成長を遂げてまいりました。産業構造は、1次産業から2次産業へと転換し、近年は2次産業に加えて3次産業の急速な発展へと順調に推移してきましたが、バブル崩壊後は一向に回復の糸口は見えず、国内産業は安価な労働力を求めて製造の本拠地を中国を初めとした東南アジアへとシフトし、農林水産の高い技術力までも商社等により持ち出され、逆に国内の1次産業を疲弊へと追い込んでいるのであります。このようにして、蓄えた体力は徐々に消耗し、国内経済はまるで不治の病にでもかかったような様相を呈しております。
アメリカなど主要先進国は、かつて経済危機に直面するたびに産業構造の改革に着手し、新たな経済システムを構築してきましたが、我が国は高度経済成長下においてシステム改革を行わず、拡大することに力点を置いたがため、今日、急速な方向転換が不可能な体質になっていると指摘されております。まさしく、このことが失われた10年ではないかと私は思っております。
私の実感からしますと、日本のバブル経済は、勤勉な国民を踏み台に東京などの大都市部を中心として大企業や銀行、投資家など一部の人たちによってつくり上げられ、我々大分県に住んでいる者にとっては、直接的な恩恵はなかったように感じております。しかしながら、バブル崩壊による経済不況の影響は日本国民がひとしく受けており、本県においても同様であります。
これまで政府は、景気回復を図るため何度となく公共事業を中心とした景気対策を実施してまいりましたが、景気回復には及ばず、結果的には国、地方における累積債務の増加など、財政基盤の悪化を招いております。そのような意味では、小泉首相が言われておる構造改革なくして景気回復なしの理念が現実的に感じられ、本県においても新たな社会に向けた構造改革が必要ではないかと思えてくるのであります。
高度化社会の中で県経済の仕組みも大きく変化し、我々県民にとりましては何に手をつけてよいのか見えなくなっている中で、来年こそはこのような閉鎖的な状況からの脱出を願っております。知事は、この1年を振り返って本県の状況をどのようにとらえておられるのか、所見をお伺いします。
【答 弁】
(大分県知事 平松 守彦)
渕議員の私に対するご質問にお答えします。
まず、2001年を振り返っての所感の問題でありますが、まだ実のところ、これからいよいよ一番厳しい来年度予算の編成が待っておりまして、来週、議会終了後すぐ上京して、道路予算初めこれからの地方予算、また地方交付税問題等の予算編成に各省庁と折衝しなけりゃなりませんので、この予算編成期が、来年の予算編成が吉と出るか凶と出るかで所感もだいぶ変わってくるわけでございまして、いささか早いんではございますが、ご質問でございますので、私なりにこの1年を振り返っての大分県の姿について答弁をさせていただきます。
この1年を率直に言うと、明暗こもごも至る、悲喜相半ばする1年だったと私は思っております。まあ、議員もご指摘されましたが、4月に発足した小泉政権が圧倒的な国民的な支持率を背景に聖域なき構造改革を打ち出しまして、「改革なくして成長なし」をスローガンに、財政構造改革、行政改革、不良債権の抜本的な処理、さまざまな改革に取り組んでまいりました。流行語大賞も「聖域なき構造改革」「恐れず、ひるまず、とらわれず」「米百俵」、流行語大賞ならぬ流行語宰相と言われたわけでありますが、果たしてこの構造改革なくして成長なしであろうかと、この問題があるわけであります。この構造改革の対応に日本じゅうが沸騰した1年、走り回された1年というような感じもしないでもありません。
特に、これまで内閣が行ってきました景気回復に対する公共事業への国費投入をてことする景気対策、これを180度転換して、官から民へ、国から地方へという方向のもとで、道路特定財源の一般財源化、公共事業の1割カット、高速道路の凍結も辞さない採算重視の道路整備、矢継ぎ早な改革案が打ち出されたところであります。
また、道路公団など七つの法人の廃止、民営化が決定されました。特殊法人にもメスが入れられる、医療保険制度の抜本的な見直しということであります。これは、ここ2、3年の経済の落ち込み、GDPのマイナスも覚悟してという取り組みであります。
その結果、公共事業に依存する割合の高い地方でございます大分県におきましては、この1年でその影響があらわれてきております。今、議員が述べられたとおりであります。企業の倒産件数、負債額、大きくなっております。特に建設関連企業の比率が高い、販売不振、赤字累積などの不況関連の倒産が七割、公共事業削減の影響が特徴的であります。
10月の全国の完全失業率が5・4、過去最悪でありますが、きょうの新聞にも出ておりますが、この5・4の中で一番大きな問題は、求人需要不足失業、需要不足の失業であります。今までは摩擦的失業でありました。いわゆる求人と求職との条件がミスマッチ、いわゆる摩擦的失業、これが4%であります。しかし、それに足して1・4というところが、もう需要そのものがないという不足が、これは厚生労働省が発表しております。高度成長のころ、これが0・5であったのが現在1・4まで来ているということは、もう需要側がないという非常に深刻な事態であります。
したがって、県下の有効求人倍率も、全国平均を上回っておりましたけども、このところ、まあ九州の中では一番高いんですけど0.52、また今言った同時多発テロによる観光需要、BSEの消費者の牛肉離れということで、特に一番大きな問題はGDPの半ば以上を持つ個人消費が極端に落ち込んでおるということであります。
私は、小泉内閣の官から民へ、国から地方へという路線は基本的に同調するものでありますが、この構造改革なくして成長なしというのは、本当にどういう過程で、こういった公団を民営化し、公共事業1割カット、交付税1割カットしてやっていって果たして景気が自立反転するのかどうか、また株安、土地安が続きますと資産が減少して不良債権がさらにふえて、さらに企業の収益が悪化して税収が落ちて、そのためにまた国債を発行するという悪循環になるわけでございますので、そこの改革なくして成長なしというところのルート、その手順が我々に示されておりませんので、本当に2、3年待てば春が来るのかというところが、どうも今、国民全体が自信をなくしておるというところにあるわけであります。
今、小泉内閣としては景気対策を考慮して、いわゆるセーフティーネットということで雇用対策に予算を集中しております。単なるセーフティーネットにとどまらない中小企業の倒産防止対策、不良債権を早期に処理して金融の健全化も行う、中小企業の立ち直りを図るということでございまして、特に第2次補正で若干、公共事業も入りました景気の下支えを通じてのデフレスパイラルを防止しながらも構造改革を図るという方向に漸次、足元が横滑りをしつつあるように思います。
私も、構造改革と景気対策を同時に起こす二正面作戦、これは竹中さんがナローパス、非常に狭い道であると言って、私はクリティカルパスと申し上げておりますが、景気対策と構造改革の二正面作戦という大胆な政策をとるべきであると、このように思っております。
この不況と雇用不安の長いトンネルをくぐり抜けるにまだ至っておりませんが、大分県にとっては、ビッグアイ、農業文化公園がオープンする、またワールドカップサッカーの組み合わせが非常にエキサイティングなものであるという明るい話題もあり、全国乾椎茸品評会では大分県が3年連続日本一、特にまた環境省のかおり風景百選に「くじゅう四季の草原・野焼きのかおり」など全国で一番多い4カ所が選定され、またこういった意味で大分県の森林、また林家の皆さん方の地道な生産活動、大分の生活空間の持つ地域力、こういったものが非常に高い評価を受けており、また内親王殿下のご誕生ということで、新しい商戦、年末商戦にもこういったことが明るい材料として取り上げられる。
また、年末に入って待望の東九州自動車道大分宮河内−津久見間が開通の運びになるということでありまして、いろいろと暗い面はありながら、来年に大いに期待を抱かせるものもありまして、物は考えようでありまして、私は常に、一番暗いときにこそ暁は近いと。マゼラン海峡でマゼランが、マゼラン海峡を発見するわずか3カ月前に1っとこで忍従の冬を過ごして、それでようやくマゼラン海峡を見ると。その直前でとまっておる間に彼は、絶望に浸りながらも一条の光を目指して頑張って発見したということで、暁に近いときは闇は暗いということを私は考えておるわけでありまして、日本人がかくも、失われた10年というように日本の国に自信を失い、日本の国力に対する自信を失う。失われた10年で一番大切なことは、自分の国に自信を持てなくなってきているということに私は一番大きな心配があります。
先般、今月出ました雑誌に2001年の国際競争力のランキングが出ておりました。これは世界経済フォーラム・WEFというところが毎年発表しております。2001年でトップの国際競争力はフィンランドであります。昨年の5位がトップであります。第2位は米国、昨年トップが、ことしはテロ多発等によって米国が2位のランク、3位がカナダ、カナダは6位だったのが3位、シンガポール4位、これは2位だったのが4位に落ちております、次はオーストラリア、ノルウェー、台湾、8位オランダ、9位スウェーデン、10位ニュージーランド、国際競争力のランキング、日本は21位であります。
これは、分野別の採点を見て全部つけるわけですが、日本の分野で言うと、財政状況では50位、IT関連でいくと33位ということでありまして、日本の国際競争力はかつてエズラ・ヴォーゲルによって「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われたのが1970年から80年代でありますが、今や国際競争力は20位というランキングになってきておる。
これは、私はすべて、これまでの日本のいろいろ政策議論で、国の政策、政府に何もかも、中小企業も経済界もすべて国に「おんぶにだっこ」ということで、国が何をやってくれるかという議論ばかりが先行している、自分の力で自分の企業を強くするという力が不足しているからこうなっているんだろうと私は思っております。
かつて、ホンダ、またソニーという中小企業が、国から1銭も補助金なしに世界の企業になったわけであります。その気概が今、経済界にもないと。あの「サンデープロジェクト」を見ると、常に出てくる田原総一朗さんの相手になるのは、政治家であるか、大学の先生であるか、評論家があるかでありまして、経済人が国の政策と関係なしに自分の経済政策で自分の企業を強くしていくという、その話は一度も出てこない。すべて政府のことに責任を帰するという考え方が日本人の、この失われた10年で一番失ったところではないかと、このように私は思うわけであります。
したがって、これからこういった時代であればこそ、みずからの力で立ち上がって、自分自身で景気を切り開いていくという気合いでやれば、大分県の将来も開けると、私はこのように思っております。希望あるところ力あり、志あるところ道ありと、こう私は思っております。
私の経験で恐縮でありますが、私は1970年代、コンピューターの電子政策の事務官と電子政策課長をやりまして、コンピューターの国際化、国産コンピューターの育成というのをやりまして、当時はIBMに対して日本のコンピューターは、エレファント、象と蚊、モスキートであると言われて、私のところにソニーの井深社長さんが来て、「平松さん、コンピューターなんか、とても日本じゃ育たない。イギリスもフランスも皆、撤退したから、もう日本は全部、IBMを使った方が、コンピューターを利用した新しい産業をつくるのに皆ためになるんだから、コンピューターを国産機を使っても困るんだ、性能が悪くて困るんだ、自由化しなさい」と言われたことを今でも覚えておりますが、これを歯を食いしばって、日本の富士通や日本電気の技術者の力を信じて、田中角栄通産大臣にお願いして技術開発資金をとって、技術開発のための施策をやり、コンピューター産業を再編成して、今日、IBMの支配にない国産機があるのは日本だけになりました。ゼロからのスタートで、国産電子計算機が今日、日本が世界的な競争力を持つ、できるわけであります。
一村一品運動も、私が提唱したときには、当時は九州で一番の麦じょうちゅうなんてありませんでした。昭和50年に副知事になり、54年に大分に帰って、麦じょうちゅうと言ったら、どこの料理屋にも何もありませんでした。今日は、「吉四六」にしても「いいちこ」にしても、大分県の麦じょうちゅうは九州第1位、ゼロが今日ここまでなった。1銭も補助金を出したわけじゃありません。しかし、三和酒類や二階堂酒造がこれだけのしょうちゅう産業をつくり出したのであります。政策ではありません。経済人の自力自立の精神でここまででき上がったわけであります。私は、そういうことは必ず、希望あるところ力あり、志あるところ道あり、この努力を行政としてはバックアップする、そのためのインフラの整備、そしてまたそのための地域づくりのための人づくり、こういうことを行政の役割として今後ともやっていけば、必ず大分県においては新しい経済が発展し、そして生活者に優しい大分県ができ上がると、このように確信をいたしておるわけであります。
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2)ペイオフ解禁に伴う公金の保護方策について
次に、ペイオフ解禁に伴う公金の保護方策について出納長に伺います。
いよいよ来年4月から、これまで凍結されておりましたペイオフが解除されます。ペイオフの凍結は、95年6月に当時の武村大蔵大臣が金融機関の経営状況などの情報開示がおくれている現状では預金者がどの金融機関が安全かを判断するすべがないということで、2001年3月末までの間、特例措置として決定されました。
その後、相対的に経営体力の劣る中小の地域金融機関から預金などが流出する可能性が高いと判断した政府は、凍結を延長し、今日に至っています。この間、不良債権を多く抱えていた日本長期信用銀行など幾つかの銀行が経営破綻しましたが、政府は、景気対策として不良債権処理を急ぐ一方、金融不安を招かないため公的資金を導入するなど、金融機関の経営健全化に取り組んできました。また、金融機関においても経営健全化の目安となる自己資本比率の向上が求められ、県下においても農協や漁協を初めとして合併などによる対策が講ぜられております。
このような中で金融機関を取り巻く環境は大きく変化し、これまでの金融機関は絶対に倒産させないという日本型システムの護送船団方式による金融政策は終えんし、金融機関は自由に競争し、経営破綻すれば倒産するという時代になりました。本県においても、先月、3つの信用金庫が金融庁へ破綻処理を申請したところであります。
現在、金融機関のすべての預金は、預金保険制度の特例措置により全額保護されていますが、来年四月からペイオフ凍結が解除されますと、地方公共団体の公金預金についても一般預金者と同様、普通預金などの決済性預金を除き、1金融機関につき、預金者1人当たり1千万円までの元本とその利息しか保護されなくなります。
こうした状況の中で、万が一、県の公金を預かる金融機関が破綻した場合には、巨額な公金預金が失われることとなり、公的給付や収納の停滞など行財政の運営に多大な困難が生じ、県民生活にも深刻な影響を与えることも予想されます。
県の12年度末の基金は約980億円程度あり、大部分は預金運用されているようであります。そういう意味では、今後、地方公共団体の資金管理者は、公金の管理、運用に関して自己判断、自己責任が前提となり、安全で確実かつ有利な公金の管理に取り組むことが一層求められてくるのであります。
もとより、県民の共有財産としての公金は決して失うことは許されず、今後、公金の預け先について、従来にも増して金融機関の経営状況等を十分把握し、慎重に選定していくことが必要だと考えます。
そこで、このたびのペイオフ解禁を目前に控え、その対応策についてどのように考えておられるのか、次の2点について出納長にお伺いします。
第1点目は、ペイオフ解禁に対する県の姿勢についてであります。
このたびのペイオフ解禁についてマスコミ等ではさまざまな意見が報じられていますが、県はどのように受けとめていられるのか、お伺いをいたします。
第2点目は、公金の管理、運用に係るペイオフ対策についてであります。
莫大な資金を扱う今後の公金の管理、運用について、資金管理者の大変さについては既に述べましたが、県としてはどのような対応策を講じていかれるお考えか、所見をお伺いいたします。
【答 弁】
(出納長 外山 邦夫)
ペイオフ対策についてお答え申し上げます。
まず、ペイオフ解除に対する県の姿勢についてであります。
来年4月からペイオフ凍結が解除されますと、渕議員がご指摘のとおり、地方公共団体の預金も元本1千万円までとその利息しか保護されなくなることから、今、ペイオフ対策が全国自治体の大きな課題となっております。
ペイオフ解禁後は、公金預金の管理、運用は自己判断、自己責任が前提となることから、県といたしましても金融機関の健全性を判断して預金するとともに、預託金融機関の健全性が維持されているかどうかを常に注意することが重要であると考えております。
このため県といたしましては、金融知識を有する人材の育成を図るとともに、取引金融機関の経営状況の分析や市場金利の動向等を把握した上で、地方自治法の趣旨を踏まえ、安全で確実かつ有利な公金の管理に取り組んでいかなければならないと考えております。
次に、公金の管理、運用に係るペイオフ対策についてであります。
県は去る6月4日、関係部局の各課長による庁内ペイオフ対策会議を設け、1つ、歳計現金、歳入歳出外現金への対応について、2つ、各種基金への対応について、3つ目としまして制度融資に係る預託金への対応について、それぞれ協議を重ね、このほど検討結果を取りまとめたところでございます。
現在、その検討結果や総務省の研究報告等をもとに、これまでの定期性預金以外にも国債等の安全性の高い有価証券による債券運用や取引金融機関が破綻した場合における預金と借入金との相殺など、県としてとり得る具体的な対応策について金融機関等と協議を行っているところであり、このほど基金の1部を債券運用したところであります。
今後とも引き続き、国及び他の地方公共団体の動向や取引金融機関の経営状況の把握等に努め、県民の貴重な財産である公金の管理、運用に万全を期してまいりたいと考えております。
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3)民間非営利団体・NPOの支援体制について
次に、民間非営利団体・NPOの支援体制について伺います。
バブル崩壊後、我が国は効率優先の近代社会が行き詰まり、長引く不況から地方財政は危機的な状況に陥り、閉塞感が社会全体を覆っております。住民の価値観は多様化し、さまざまな課題が山積する中、従来の社会サービスの担い手であった行政と企業では対応できない社会的な課題を数多く抱えております。それをNPOが担うことにより、市民が市民のために柔軟で、きめ細かい社会サービスを提供できるNPOの活動に大きな意義を感じるのであります。行政や企業の限界を超えた人間回復を求めるNPOのテーマは福祉や環境など多彩であり、その活動は時代の追い風を受け、新たな地域社会を構築する柱の1つになろうとしております。
雇用情勢に目を転じますと、IT不況をもろに受け、9月の完全失業率は史上最悪の5・3%となり、景気の回復が見込めない中、広がる雇用不安に追い打ちをかけるようにアメリカを襲った同時多発テロ事件の影響やBSE問題の発生などが景気回復に大きなダメージを与えており、雇用情勢は一段と厳しい局面を迎えることになると予想されます。
かかる状況の中、小泉改革の官から民へという大きなうねりを受けて、新たな雇用の受け皿としてNPOの役割が注目されております。NPOは、福祉や教育、環境など幅広い分野で公営施設の運営など公共サービスを提供できることや、新しい商品やサービスを企画して起業化することにより新たな雇用が生まれ、また中高年のサラリーマンが第2の人生として参加したり、女性や高齢者の社会参画の場が広がるなど、さまざまな効果が期待できるのであります。
先進国アメリカでは、NPOで既に1千万人以上の雇用をつくり出しておりますことから、政府や与党がNPOを、喫緊の課題である雇用対策の1つにしたいとの思いがにわかに高まってきました。
そこで質問に入りますが、最初は、特定非営利活動促進法・NPO法が1998年12月に施行されてから3カ年経過しました今日、全国各地でNPOの設立が盛んに行われており、12月30日現在、全国の申請受理数は6,312、認証数5,448であります。本県の状況は、申請受理数40、認証数38、47都道府県中31番目にランクされております。全国で六番目に認証法人の多い福岡県の5分の1で、率直に申し上げ、NPOが住民や行政に十分認知されていない状態で、いかにも弱いと言わざるを得ません。現状をどのように受けとめておられるのか、今後のNPOの位置づけと、NPO支援センター設置も含めて、今後の対策について伺います。
2点目、NPOは、独自性、主体性を保ちながら、活動資金は自前、経済的自立が目指す方向と言われていますが、活動実態は、介護保険料で財源を確保しやすい福祉系NPOを除けば、活動資金は会費や助成金だけがほとんどで、事業展開は容易でなく、事務所の経費に追われ、苦労しているNPO法人もたくさんあると聞いています。
九州大学の今里教授は、「NPOの事業のキーワードはネットワーク。金もうけではなく、金を地域で循環させることがコミュニティービジネスにつながる」と言っておられます。自立自助精神で各NPOが思いを実行する場とその組織を継続させる仕組みを構築できれば、地域社会は確実に変革してくるとのことであります。
一方、NPOの先進地と言われています神戸市にあるコミュニティーサポートセンター神戸は、行政と密接に連携し、別のNPOや市民のための仕事をつくっているとのことで、現実に東京、大阪、岩手、三重、宮城などの先進地は、市民団体による新しい社会サービスを育てるという観点に立って、支援条例の制定や業務の委託、活動場所の提供、マネジメントの入門講座の開設など、思い切った発想で行政が支援を行い、パートナーシップを発揮しています。自治体のサポートが活発化する中、本県の支援体制について、過去どのような対策を講じてこられたのか、また今後の展望についてもお聞かせください。
3点目は、NPO支援優遇税制に関連して質問します。
NPO法人の活動を促す目的で優遇税制が10月からスタートして、ほぼ2カ月経過しました。活動資金を寄附した個人や企業に対し課税を軽減する制度でありますが、適用を受けようとするNPO法人は少ないと聞いています。優遇を受けるための条件が厳しく、手続も複雑であり、大半の団体が条件に合わないとのことで、認定されるのは全体の2ないし3%程度と予想されており、認定されるNPOが余りにも少数では制度をつくった意味が薄れると指摘されるなど、関係者に悪評であります。支持するNPOに寄附することは活動に参加することであり、優遇税制があればさらに協力しやすいので、実情に応じて見直すべきとの声が上がっております。県としての見解を伺います。
あわせて、国に対して優遇税制の見直しを要求すべきと考えますが、所見をお聞かせください。
4点目、完全失業率が5・3%と過去最悪となり、雇用対策が緊急課題になっていますことはご案内のとおりであります。国が緊急雇用対策として、本年度の補正予算に自治体が失業者の働く機会を生み出す公的雇用拡充を盛り込んだ緊急地域雇用創出特別交付金事業が成立し、同交付金として県に46億円配分されることになりました。
申すまでもなく、この事業は、失業者の雇用率を高めるため、再就職までのつなぎ支援と位置づけられておりますことから、事業実施の条件が厳し過ぎて内容を決めにくく、事業の選定にご苦労されていると聞いています。
本事業は99年度から実施されておりますが、再就職につながった例は少なく、つなぎ支援という所期の目的は達成できるものの、雇用創出、再就職に向けた方策を模索していくことも重要なことと受けとめています。そのような観点からNPOとの接点が見出せないか、そして雇用創出のためNPOの活用に交付金の一部を振り向けられないのかと思うのであります。国に対し、要求実現に努力すべきと考えますが、県としての見解を求めます。
5点目は、小泉改革の官から民へという大きな流れを受けて、新たな雇用の受け皿としてNPOの役割に期待が集まっていますが、このたび経済産業省が支援に取り組む方針を明らかにし、来年度の予算に2億5千万円要求しています。
新たな産業の育成戦略などを検討する経済産業省の産業構造審議会に特別部会を設け、事業や雇用の主体となるための方策づくりを進めるとのことであります。国の動きを受けて、県として今後どのように対処されるおつもりか、見解を求めます。
【答 弁】
(生活環境部長 朝久野 浩)
NPO関係のご質問にお答えいたします。
まず、本県の現状と今後の対策等についてでございます。
法施行後3年が経過をし、NPO法人がさまざまな取り組みを実践する中で、行政サービスの1部を担ったり、企業とパートナーシップを組む動きが生まれております。同時に、これらを通して雇用創出の場としての期待も高まってきております。
県内のNPO法人認証数は現在38団体で、九州においては福岡、熊本に次ぐ数となっております。生活安全室内に設置をしておりますNPO相談室、これは支援センターと同様の役割を有しておりますけれども、ここで設立相談も最近多くなってまいってきております。今後とも、認証団体の増加に努めてまいりたいと考えております。
次に、NPOへの支援体制についてでございます。
これまでNPO法人に対し各種情報の提供や相談を初め、法人相互のネットワーク化を図るための意見交換会を実施するとともに、市町村へのNPO法人活用の協力依頼等を行ってまいりました。
このような中で、マネジメント講座の開催、財政支援や資金調達の方法、行政との連携方策等の要望や意見が寄せられているところでございます。これらを踏まえ、NPO法人がより活発に活動できるよう支援をしてまいりたいと考えております。
あわせて、市町村との連携がこれからの課題でありますので、市町村への情報提供も積極的に行ってまいります。
次に、NPO支援の税制等についてでございます。
財政基盤の強化はNPO法人の課題でありますので、今回の支援税制は法人の資金調達に大きく寄与するものと考えております。しかしながら、NPO法人が本制度の認定を受けるためには、公益性の担保のために、総収入金に占める寄附金の割合、3分の1以上、あるいは非営利活動の範囲、これが2分の1以上ということになっていますけれども、などについて一定の条件が付されております。
また、認定申請に当たって、直前の2事業年度の事業報告書等の添付が必要とされております。
本県の場合、認証から2年間に満たない法人が多いことから、今のところ該当する法人はありませんが、NPO法人から認定基準の緩和や更新期間延長を求める声もありますので、今後、全国会議等で議論をしてまいりたいと考えております。
次に、緊急地域雇用創出事業のNPOへの活用についてでございます。
今回の特別交付金事業は、失業者の増大に伴う雇用確保を第一義的な目的としておりますが、あわせてNPO法人への事業委託を行い、事業ノウハウを吸収させるとともに、経営基盤や人材育成に資することを期待していると聞いております。
こうした国の方針を受けまして、県下のNPO法人にこの事業の概要を通知し、積極的な活用を呼びかけてまいったところであります。その結果、今回は、NPO法人の希望する事業の大半が市町村や地域レベルの事業であり、現時点では県事業として採択することは困難でありましたため、所在する市町村にその情報を提供し、市町村事業としての事業化を働きかけてまいったところであります。 最後に、経済産業省の支援策についてでございます。 議員ご指摘の経済産業省が新規要望しております市民活動の活性化等による地域雇用創出プログラムは、女性やシニアが中心となったNPO法人等に着目し、それらの活動が雇用の受け皿や多様なサービスを供給するベンチャー企業へと発展するよう支援するとともに、その成功事例を広く普及させていこうとするモデル事業であります。 本事業について、今後、成案になり、該当するNPO法人があれば、県としても積極的に情報提供を行い、本事業の活用を働きかけてまいりたいと考えております。
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5)鶴崎おどりのビッグアイ開催について
最後は、鶴崎おどりのビッグアイ開催についてであります。
近年、青森のねぶた、徳島の阿波踊りなど、全国各地で民俗芸能が観光資源として脚光を浴びており、毎年多くの観光客で盛大に盛り上がっている光景を目にします。
大分県には、鶴崎おどりを初めとして、津久見の扇子踊り、豊後高田の草地踊りなど、全国的にも貴重な民俗芸能が数多くあります。特に、4百有余年の歴史と伝統のある鶴崎おどりは、優雅で格調高い京舞の流れをくむ、我が郷土が誇る大分県の代表的な民俗芸能であります。昭和61年には国選択無形民俗文化財となり、その名声を内外に高めておりますことはご承知のとおりであります。
大分市では、この伝統ある鶴崎おどりをさらに発展させ、より多くの人々に愛され、親しまれるために、各種事業に取り組んできました。本年は、旭川市の第八回地域伝統芸能全国フェスティバル、北九州市の「ワッショイ百万夏まつり」や県下各地域からの要請にこたえ、数多く出演してきました。
また、同保存会を中心に、普及宣伝活動や後継者の育成、技能の研さん、ミス鶴崎おどりの募集、本場鶴崎おどり大会の開催など、各種事業にも取り組んできました。
ことしの本場鶴崎おどり大会は8月18、19日の2日間開催され、両日とも好天に恵まれ、参加団体70、踊り子1,670名、訪れた観客数は七万人を数え、本年も盛大のうちに終了 することができました。
本場鶴崎おどり大会は、地元鶴崎地域のイベントとして、資金集めから大会の運営に至るまで保存会、鶴崎地区経済界、鶴崎地区自治会が中心となって実施するもので、関係者には大変な努力が求められる大分市最大の文化事業であります。
この鶴崎おどりも、近年、残念なことではありますが、訪れる観光客数が減少傾向にあります。技術革新の進展や高度情報化社会の到来、価値観の多様化など、社会的環境の変化にかなり影響されていると思いますが、踊りの魅力をより高める努力、つまり鶴崎おどりの持つ優雅で格調高い品のよさを表現できる踊り子を育てる研修の充実、あわせて会場について、狭い、駐車場が近くで確保できない、観客用のスタンドがないので踊り子が見えにくいなど、見物客から不満の声が根強くあることへの対応や、少子化社会の到来で町内会で子供の踊り子確保ができにくくなっているなどの問題も抱えており、県内外からの観客の期待に十分こたえ得るよう、課題の解決に当たらなければなりません。
21世紀は文化の時代とも言われており、文化を基点とした地域振興、観光振興も本県にとって重要課題であると考えます。これまで民俗芸能などの文化振興策としては、一村一文化など地域文化活動の支援策が中心となっておりますが、これからは異なった視点からの取り組みも必要であります。このたび完成したビッグアイは、スポーツ、文化の創造拠点として位置づけられており、今後の有効活用が望まれております。
そこで、民俗芸能として名実ともに大分県を代表する、鶴崎で生まれ育った鶴崎おどりをビッグアイで開催し、県内外の多くの方々に参加していただくとともに、県内外の多くの方々に披露することは大変意義深いと考えます。ビッグアイ開催について県としての見解を求めます。
以上で終わります。ご清聴、ありがとうございました。
【答 弁】
(企画文化部長 安東 忠)
鶴崎おどりのビッグアイでの実施についてお答えいたします。
鶴崎おどりは、その華麗さ、優雅さ、豪華絢爛さが織りなす一大絵巻として、国内はもとより、ブラジル、ポルトガル、中国など海外にも広く紹介され、高い評価を得ております。このことは、今日まで保存会や地元経済界を初め、多くの関係者の皆様の並々ならぬご努力の成果であると考えております。
県としましても、伝統文化の継承と活用を図り、先人が築き上げた文化遺産をしっかり受け継いでいくことは大変重要だと認識いたしております。このようなことから、鶴崎おどりを地元での開催に加え、さらにビッグアイで実現されれば、その施設の機能を十分に生かし、より多くの人々に鶴崎おどりのすばらしさを広め、認識を新たにしてもらえるものと期待いたしております。
そのためには、主催者である大分市や保存会、あるいは地元関係者の理解を得ることが何よりも肝要でありますので、実現に向け、議員にも格段のご支援を賜りたいと存じます。
以上であります。よろしくお願いいたします。
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