平成14年第1回定例会
1.全国都市緑化おおいたフェアーについて
(1)全国都市緑化おおいたフェアー実施計画の概要について
最初は、全国都市緑化おおいたフェアについてであります。
全国都市緑化フェアは、昭和58年に第1回が大阪府で開催されて以来、毎年全国で1カ所開催されています。
緑化フェア入場者数は、最近の開催県の状況から、平成11年の第16回宮崎県では190万人、平成12年の栃木県では142万人、昨年の石川県では、悪天候のため、出足が心配されましたが、終わってみれば129万人、兼6園会場を合わせますと190万人の入場者があり、それぞれ成功裏に終わったと聞いております。
いよいよ平成15年には、大分スポーツ公園、佐野植物公園の両主会場でおおいたフェアが開催されます。緑豊かなまちづくりに貢献することはもちろん、全国及び海外からも多くの観客を誘致することにより、本県の観光PR、経済波及効果など、地域の活性化に大きく貢献するものと期待いたしております。
平成12年12月の第4回定例県議会において、知事よりおおいたフェアの基本的な考えが示されました。その中で、「第20回という記念すべき、おおいたフェアを一過性のイベントに終わらせることなく、フェアを契機に県下全域で緑のまちづくり、緑化運動を進めていく。「都市緑・香運動 香りイン・グリーン・オオイタ」を県下全域で広く展開していくために、準備の段階から環境美化などのボランティア団体を初め、多くの県民に積極的な参加を呼びかけて、県民参加型の祭典とする」との答弁がなされましたが、大いにその趣旨に賛同するものであります。
県下には、花いっぱい運動を中心とした環境美化実践団体が数多く活躍していると聞いております。
去る1月、蒲江町と住民が一体となって進めている花いっぱい運動が評価され、総務大臣から表彰を受けました。また、先般も県の広報番組で久住町の花づくりのボランティア団体の活動の状況が放送されていましたが、いずれも県下各地で活動している同様の団体にとって大きな励みになったことと思います。
日ごろから地道な活動を展開している皆さんに対し、敬意をあらわしますとともに、おおいたフェアへの積極的な参加を期待するものであります。
フェア終了後も県下各地でその成果が継承され、県民から大分で緑化フェアを開催して本当によかったとの評価を得られるよう、県民総参加のおおいたフェアと位置づけることが何より重要であり、言葉だけではなく、魂の入った計画、会場づくりが必要であると考えます。
実行委員会では昨年の12月の理事会において緑化フェアの実施計画を決めたと聞いておりますが、その実施計画の概要についてお伺いをいたします。
(大分スポーツ公園)
テーマ
「緑 ・ 香
交流ガーデン
IN BIG EYE」
(佐野植物公園)
テーマ
「くらし ・ 地球
エコガーデン佐野」
(2)観客の目標設定について
次に、そのフェアでは100万人の観客を予定していると聞いていますが、観客の目標設定が若干低いのではないかと危惧しております。
最近の開催県の入場者数は、宮崎県190万人、栃木県145万人、昨年開催の石川県も190万人を数えております。実行予算との兼ね合いもあり、他県と単純に比較できないこともわかりますが、厳しい時期だけに、地域活性化のため、高い目標を掲げて、それに向かって情熱と英知を結集し、みんなで努力することがより大切と思うのであります。この点についての見解をお伺いします。
(3)現在の取り組み状況について
3つ目でありますが、フェア開催まで1年余りとなり、「カボたん」という名前のかわいいマスコットキャラクターも決定され、いよいよ本番に向けた取り組みが本格化してきております。現在の取り組み状況及び今後のスケジュールについてどのようになっているのか、お伺いをいたします。
(4)大分市との連携について
4つ目は、大分市との連携についてであります。
県民の36%以上の人口が集中している中核市大分市との連携が、今後ますます大切になってくると思われます。今回のおおいたフェアは大分市との共催になっているイベントであり、お互いにパートナーシップを発揮することが本事業を成功に導くことになると確信をいたしております。県としての思いをお聞かせください。
【 答 弁 】
(土木建築部長 田中 慎一郎)
全国都市緑化おおいたフェア実施計画の概要についてでございますが、実施計画におきましては、大分らしい魅力ある緑化フェアとなりますよう、花と緑と香りのまちづくりの推進を念頭に置きまして、4つのキーワード、
この4つをキーワードといたしまして計画をしておるところでございます。
1. いやし 2. 参加 ・ 交流 3. 文化 ・ 創造 4. 環境
具体的には、大分スポーツ公園では、「緑・香 交流ガーデン・イン・ザ・ビッグアイ」をテーマに、「香りの文化村」と銘打った展示やエコグリーン講座、コンサート、スポーツイベント、マスコミとのタイアップによる公開行事などを開催いたします。
屋外におきましては、花と香りのテーマガーデン、そして国際色あふれる庭園、また、自治体のみならず、民間企業や学校を初め、多くの県民が参加いただく花壇なども展示をいたします。
一方、佐野植物公園では「くらし・地球エコガーデン 佐野」をテーマといたしまして、環境に配慮した花壇の展示、リサイクル等の環境共生技術の紹介などを行うことにいたしております。
また、フェアの成果を継承していくため、会場での展示の説明や植物管理作業等に広くボランティアの参画を呼びかけますとともに、県下各地での花いっぱい運動などの協賛事業へ県民の皆様方が積極的に取り組んでいただきますよう、協力をお願いしてまいります。
次に、観客の目標設定についてでございますが、おおいたフェアでは、本県の人口や先催県の事例、県内の観光動態調査等を参考に、目標入場者を100万人としたところでございます。
今後、さらにメーン会場での会場づくりや出展、催事等に工夫を凝らしますとともに、香りの森博物館、農業文化公園、坂ノ市エリアの3カ所のサブ会場や県内各地の協賛会場と効果的な連携を図り、さらに多くの入場者確保に向け、全力で取り組んでまいります。
次に、現在の取り組み状況等についてでございますが、昨年の4月に県内の166の関係団体からなります実行委員会を立ち上げまして、来年4月の開催に向け、準備を進めております。
現在、ワールドカップサッカー終了後直ちに会場整備に着手できますよう、施設の実施設計や植物調達の監理設計等を行っております。
また、緑化フェアの周知、機運の醸成、フェアへの参加啓発等を図りますために、開催直前までプレイベントといたしまして県内各地でふれあい花緑教室や一万本植樹リレーを実施いたしますほか、広報宣伝活動といたしまして、パンフレット、チラシの作成、インターネットによるフェア情報の発信、マスコットキャラクター「カボたん」を活用した積極的なキャンペーン活動を行ってまいります。
最後に、大分市との連携についてでございますが、昨年の4月に県と市の職員合同で構成いたします事務局を設置いたしまして、一丸となって準備を進めておるところでございます。
このフェアでは、大分スポーツ公園、佐野植物公園を中心に、全県的な展開を図ってまいりますが、特に開催地大分市におきましては、サブ会場であります坂ノ市エリア会場での万弘寺の市や各種イベントとの共催、市内観光施設の協賛会場の設定など、相互の連携を密にいたしまして、おおいたフェアの成功に向け、諸準備を進めてまいります。
2.第63回大分国体に向けた取り組みについて
(1)2巡目国体に向けた競技力向上対策の考え方について
次に、第63回大分国体に向けた取り組みについて伺います。
平成20年第63回国民体育大会大分大会まで、あと6年となりました。戦後、第1回目が京都市を中心に開催され、国民の健康と体力の維持と向上を目標として実施されてきた国体はシンボル的な競技会と位置づけられ、今ではすっかり国民的行事として定着しております。昭和63年からは2巡目となり、ことしの高知大会で57回目を数えるのであります。
近年、国体開催に当たり、施設整備、開催経費の増大など、幾つかの問題点が提起されるようになりました。その1つに、開催県における天皇杯獲得のための選手強化対策の問題があります。これまで必ずと言っていいほど、天皇杯の1位は開催県が獲得してきました。我が大分県も昭和41年の第21回国体においては、堂々たる1位を獲得いたしました。その後、長い間低迷を続けておりましたが、近年では健闘して20位台を確保しております。
開催前3年内の成績を見てみますと、平成11年第54回開催の熊本県は11位、10位、5位、平成12年の富山県は24位、11位、7位、昨年の宮城県は15位、13位、6位と、いずれも着実に順位を上げ、開催年は1位となっております。
しかしながら、ことしの開催県である高知県については、橋本知事が天皇杯の順位に固執しない姿勢をとっていることもあってか、45位、38位、昨年は31位で、これまでの開催県とは異なった様相を見せております。
また、競技力向上の経緯を見てみますと、熊本、富山、宮城、ともに開催の7年前から具体的な取り組みを行い、総額では42から43億円程度と、多額の経費を要しているようであります。
一方、高知県では26億円余りで対応しようとしており、ことしの順位が注目されます。
確かに、国体開催県としてふさわしい成績をおさめることは、県民の士気高揚に大きな影響を与えるなど意義深いことではございますが、一方では、選手強化のために多大の費用と関係者の筆舌に尽くしがたい犠牲の上に成り立っており、しかも開催年だけしかその栄誉には浴さないなど、本当の意味で競技力がまさっていたという証明にはなり得ていないのであります。
本県の最近における国体の順位は20位台を確保、10位台を目指して選手、関係者が通常の置かれた環境の中で精いっぱい努力して勝ち取ったものであり、大変価値のあるものと高く評価しています。
開催県になれば、あらゆる種目に選手が参加できますことから、今の競技力でも本県の場合、上位に進出の可能性を秘めており、県民にとって大変心強く、大きな期待を寄せております。
私は、多額の経費を投入し、つくられた1位の獲得には疑問を感じるのであります。日本経済が右肩上がりで成長し、それに伴って税収も伸びてきた時代とは対照的に、今日の地方を取り巻く環境、状況は大変厳しく、苦しい財政事情や少子高齢化の進展、競技人口の減少など社会環境が一変しておりますことから、国体そのもののあり方についても検討を要する時代が来たのではないかと思われます。
先般、「大分県の戦後政治」を読んでおりましたら、第21回国民体育大会大分大会についての項があり、次のように述べておりました。
「剛健国体と銘打った大分国体の意義は、ともすれば華美に流れたり、過激な演出を競う風潮が回を追って強まっていた国体を、本来のスポーツ大会に戻したことだった。華やかな歓迎やもてなしをやめ、簡素な中に真心を込めた催しにしたことが関係者の高く評価するところとなった。もっとも、その陰には、「節約国体」との陰口もささやかれたりした」とのくだりがありました。
開催県として、選手、関係者が精いっぱいの力が発揮できるよう最善の環境整備を行うことについては異論を挟む考えはありませんが、県民の心からの協力がなければ、開催の意義は薄れてしまいます。
本県の競技力向上対策は、大分県競技力向上対策本部において計画が策定されており、今後この計画に沿って具体的に予算化がされていくことになりますが、県民の価値観が変化しつつある今日、国体に対しても、これまでの先例や慣例にとらわれない取り組みが必要ではないかと考えます。開催県としてどのように取り組もうとしておられるのか、基本的な考え方についてご所見をお伺いいたします。
(2)設備整備についての基本的な考え方について
また、競技会場施設についても2次選定が行われ、1次と合わせた30競技68施設が選定されましたが、残る8競技については検討中とのことであります。
平成10年開催の神奈川県で初めて設置された横浜市スポーツ医科学センターをモデルとして、近年、国体選手のメディカルチェックなど、健康管理と地域住民の健康管理も視野に入れた、しかも国体終了後にも有効活用し得るような施設や人材の結集などの構想を持つことが必要とされています。
競技施設の整備には多額の費用がかかることが予測されますことから、検討中の施設も含め、施設整備がどのような考えのもとで進められるのか、大変気にかかるところであります。施設整備についての基本的な考え方についてのご所見をお伺いいたします。
【 答 弁 】
(教育長 石川 公一)
2巡目国体に向けた競技力向上対策の考え方についてお答えいたします。
昭和39年の新潟国体以来、38年連続して開催県が男女総合優勝をしておりますが、本年開催する高知県の昨年の成績は31位であり、今後の国体のあり方そのものとも関連して、その結果が注目されております。
国体の成績については、さまざまな考え方がありますが、開催県としてふさわしい成績をおさめることは、生涯スポーツ社会の実現が求められている今、スポーツに対する県民の関心を高め、士気を高揚し、スポーツの振興を図るためにも必要であると考えております。
国体開催の準備に当たりましては、競技力の向上が施設の整備や運営体制の充実と並んで大きな柱の1つであり、県民の理解と協力のもと、進めていく必要があります。
このような観点から、今後、開催県としてふさわしい成績をおさめるため、競技団体等との密接な連携を図りながら、本県手づくり選手の育成強化などにより総合的な競技力向上対策を推進してまいりたいと考えております。
次に、施設整備についての基本的な考え方についてお答えいたします。
施設整備に当たりましては、平成9年9月に大分県準備委員会において決定されました競技施設整備基本方針に基づきまして、県立施設や市町村施設等を含め、可能な限り現有施設を活用すること、施設を新設、改修する場合は、将来にわたって地域住民が身近で快適にスポーツを楽しめる施設とすることなどを基本として進めております。
また、効率的な施設整備を図るという観点から、仮設施設や、状況に応じましては近県施設での開催についても検討するほか、PFIの活用など、整備手法についても工夫する必要があると考えております。
さらに、施設の有効活用や競技数が少ない夏季大会の活性化等の観点から、関係競技団体のご協力を得ながら、一部の競技について秋季大会から夏季大会への移行も検討しております。
現在のところ、会場地が未選定のクレー射撃を除きまして、公開競技の高校野球を含めた37競技を34市町村で予定しておりますが、必要となる施設は約90と考えております。
国体で使用する施設は一定の基準に適合することが求められておりまして、来年度行われる中央競技団体の正規視察も踏まえまして、施設整備に万全を期してまいりたいと考えております。
なお、スポーツ医科学に基づいた健康管理の体制づくりにつきましては、引き続き関係機関と研究してまいりたいと考えております。
3.今後の財政運営について
( 上空からの大分市街 )
次は、財政問題について質問をいたします。
さきの代表質問において、当初予算の基本的な考え方、健全財政への取り組みについて知事から具体的な考え方が示されましたが、私は、これらの工夫された点を踏まえて、今後の財政運営のあり方、留意点についてお尋ねします。
ことしの当初予算において、知事は「悪戦苦闘予算」と述べられておりましたが、結果を見ますと、県債残高対策として、基金の活用を図り、発行額を抑制するなど、財政の健全化に向けて並々ならぬ苦労をされているようであります。しかし、景気低迷により県税や交付税などのいわゆる一般財源に大きな伸びが期待できない状況から判断しますと、今後の県財政はますます厳しい財政運営を強いられるのではないかと懸念されるのであります。
マスコミ等の報道では、九州でも既に福岡県、熊本県、鹿児島県において財政再建への具体的な取り組みが行われているようであります。今後、多額の県債残高に対する公債費の増や大分駅の高架化事業、また、先ほど質問いたしました2巡目国体に対する施設整備や運転免許試験場などの建設事業、さらに、景気対策として公共事業の積極的な受け入れなどにより県債発行の増が予測される中で、多くの県民が県財政は大丈夫なのだろうかと心配しております。そういう意味から、中期的な財政運営の見通しについて早急にお示し願いたいと思うのであります。
昨年の第3回定例会の私の質問に対して、知事は「中期的な財政運営の展望を持つ必要があると考えている」と答弁されました。その後、経済見通しもはっきりせず、地方財政の仕組みも変化するなど見定めにくい点が多いことは承知しておりますが、今後、数年先もにらんだ財政運営における要諦なり、ポイントについて、知事はどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
【 答 弁 】
(大分県知事 平松 守彦)
渕県議の私に対するご質問にお答えをいたします。 今後の財政運営のポイントについてであります。
財政運営におきます要諦は、限られた財源の中で時の政策課題に可能な限り対処しながら、財政健全化に向けて各種財政指標を的確に管理していくことにあります。特に県債の発行抑制、公債費負担の平準化、基金の活用の3点に留意をいたしておりまして、当初予算もこれらに配意しつつ編成したところであります。
今後の財政見通しについてでございますが、前回もお答えいたしましたが、今後の財政見通しの際には、まず国全体の経済の成長率や全体の伸び率、こういった国全体の経済動向をきちんと見きわめることと、地方財政全体の確たる見通し、つまり毎年発表されております地財計画の長期計画みたいなものがないと、我々の財政見通しもその指標となる基盤がないことになりますので、大変これが必要なんでございますが、残念ながら、現在、これは、国は明らかにしておりません。国の地財計画も、中長期のものは発表されておりません。
しかし、こうした不透明な状況の中ではありますが、一定の前提条件を置いて考えたところ、中期的には、次のように私なりのおおよその見込みを抱いている段階であります。
まず、現在の財政状況のもとでは、今後数年間、財源対策用の基金繰り入れを除きました歳入、つまり、県税、交付税、県債、国庫支出金、こういったものの歳入は、歳出には届きません。したがって、収支の差が生ずるということになりますので、財源対策用の基金からの繰り入れで補ってまいることになります。
しかしながら、内閣府で試算している景気の回復が図られる、経済の成長が徐々にプラスに転じていくという景気の回復が図られるならば、徐々にこの収支の差が縮減していきまして、5年ほどでおおむね均衡する程度に持っていけるのではないかと考えているところでございます。
また、公債費でございますが、今後おおむね同じ程度で推移をいたしますけども、借換債の活用等によってなるべく公債費を平準化していくという効果があらわれてまいりまして、一般財源のベースでまいりますと、漸次逓減できるものと見込まれるのであります。
また、県債残高でございますが、不確定要素は若干ございますが、一応これは今後5年ぐらい見通しますと頭打ちとなりまして、名目9,000億台、実質で言いますと、地方交付税等で見ておられますので、実質を見ると3,000億台にとどめられるのではないかと考えております。
より具体的な内容につきましては、現在詰めている最中でございますが、できるだけ早く議会開会中に、近いうちにお示しができると考えているところでございます。
4.教育行政の進め方についてについて
質問の最後は、今後の教育行政の進め方等についてであります。
21世紀は教育の世紀とも呼ばれ、時あたかも地方分権の推進とも絡み、明治、太平洋戦争後の教育改革に次ぐ、いわゆる第3の教育改革が進められております。この4月からは完全学校週5日制、新学習指導要領に基づく新たな教育活動が実施されようとしています。
名古屋大学の三田教授は、「みんなが平等という教育は20年前にやめるべきだった。ゆとり教育と言うけれど、公平にレベルを下げるのは悪平等。日本の学力低下は深刻で、何とかしなければ日本は沈んでしまう」と指摘されています。こうした中にあって私は、かねてから本県の教育に非常に危機感を抱いてまいりました。
その1つは、本県児童生徒の学力の問題であります。全国的に学力低下が叫ばれている中、本県の児童生徒の学力が全国的にどのレベルにあるのかということであります。
本県では中学生の模擬試験等の廃止により、中学生の学力については直接比較できるデータもないのが実情でありますが、入学間もない高校1年生の7月に実施される民間の全国レベルでの模擬試験の結果でうかがい知ることができます。
これによりますと、本県の高校1年生の成績は全国の下位に近いものであり、その原因は小中学校における教育のあり方にあると指摘されています。小中学生の学力は、ほぼ勉強した時間数に比例するとも言われておりますが、本県における小中学校における授業時間数は学習指導要領による標準数となっており、他県がこれを上回る授業時間数となっているため、結果として他県に比べ少ない授業時間数となっています。
また、教員の指導力不足を指摘する声もあり、こうしたことが成績の結果にあらわれているのではないかと推測する向きもあります。
2つ目は、平和教育等の問題であります。
かねてから、公的な施設である教室等に職員団体の活動資料と考えられる平和カレンダーが掲示され、また、児童生徒にとっての夏休み、冬休みに使用する夏の友、夏の学習、冬の友、冬の学習などにおいて、我が国の歴史に関して信憑性の問われる内容や、児童生徒の発達段階によっては正しく判断されにくい内容のものが掲載されるなど、学習指導要領に適合しない記述がなされていたことであります。
これら問題点の背景には、教育行政を進めるに当たり、大分県教職員組合の強い影響力を受け、県教育委員会が十分に主体性を発揮できていない状況があり、このことが思い切った改革を阻害しているのではないかと考えるのであります。
そうした中、8月24日に「2001年度平和カレンダーの撤去について」との通知が県教育委員会から市町村教育委員会に出され、平和カレンダーが学校から撤去されたこと、また、同様に10月15日には、冬休みの補助教材の採用に当たって、適正な取り扱いについての指導通知を発し、その結果、冬の友等においての不適切な歴史記述等がなくなったと伺っており、正常化されたことを高く評価するものであります。
さらに、去る2月21日のある新聞において、事前協議をめぐっての記事が掲載されました。これまで県教育委員会と県教職員組合との間で事務事業等の執行に当たって慣行として行われてきた事前協議の実態を県教育委員会が認めた上で、これを廃止する意思を県教職員組合や教育関係者に通知したところ、県教職員組合が反発しているとのことであります。
そこで、この新聞記事を踏まえ、私なりの考え方を述べてみたいと思います。
そもそも県教職員組合は、地方公務員法第52条で規定する職員団体であり、職員団体は同法55条の規定により、職員が地方公共団体に対し、自己の勤務を提供し、またはその提供を継続するかどうかの決心をするに当たり、一般的に当然考慮の対象となるべき利害関係事項である給与等のいわゆる勤務条件について当局と交渉できるものであり、当局の事務の管理及び運営に関する事項、すなわち管理運営事項については交渉の対象とすることはできないのであります。
この理由について、鹿児島重治氏の「逐条地方公務員法」には、「地方公共団体の当局が住民の負託を受けてもっぱらその責任において執行すべきもので、職員団体と交渉してこれを遂行することになると行政上の責任を職員団体と分かち合うことになりかねない。もしそのような形で行政が行われるのであれば、行政責任の原則や法治主義に基づく行政権限の分配の原則を乱すことになり、また、職員団体が行政に介入するという、本来の使命を逸脱した行動となる」と説明しております。
このように行政の行う企画・立案、執行等は、地教行法等の関係法令に基づき県教育委員会が主体的に、その責任において執行すべきものであり、県教育委員会の主張はまさに正論であります。こうした事前協議がこれまで行われてきたこと自体が問題であり、こうした反省を踏まえ、これまでの慣行からの決別を示す県教育委員会の姿勢を高く評価したいと思います。
新聞記事では、県教職員組合は、行政への介入とも言えるこれまでの事前協議についての反省もなく、「抗議が聞き入れられない場合には、しかるべき対応をとる」との姿勢をとっていることは、法治主義、また県民に対する挑戦とも言えるものであり、このまま黙って見過ごすわけにはいきません。
そこで、このような事務事業の事前協議が、いつ、どのようにして生じたのか、今回の廃止に至るまでの経緯、それに今後の教育行政の進め方について、一括して教育長にお伺いいたします。
【 答 弁 】
(教育長 石川 公一)
教育行政の進め方等についてお答えいたします。
県教育委員会と大分県教職員組合との間における事前協議は、県教育委員会が執行する事務事業について、これまで広範囲にわたって行われてきておりました。
この事前協議の始まりにつきましては、必ずしも定かではありませんが、昭和45年に教職員の研修、研究のための県教育センターが設置されるに当たりまして、県教職員組合から各種研修の実施について事前協議の要求があり、これに応じたことを契機として、本来の交渉事項である給与等の勤務条件以外の教職員がかかわる多くの事務事業についても同様の事前協議が行われるようになったものと認識いたしております。
本来、県教育委員会は、地方自治法等の関係法令等の規定に基づきまして、行政委員会として地方教育行政における事務事業を執行する固有の権能が付与されておりまして、これを行使するに当たりましては、言うまでもなく県教育委員会がその責任においてみずから判断し、主体的に意思決定すべきものであります。県教職員組合との事前協議を経なければ事務事業を執行することができないということは、行政責任を全うし得ないことはもちろん、法治主義の原則に反するものと考えております。
このため、平和カレンダーを公の施設である学校から撤去する問題を契機といたしまして、県教職員組合との事前協議を行わないこととし、本年1月21日付で事前協議の廃止を関係機関及び県教職員組合に対し、通知させていただいたところであります。
なお、これまで事前協議という慣行を成立させ、長年にわたりこれを維持してきたという事実につきましては、県教職員組合だけの問題ではなく、県教育委員会といたしましてもその責任を痛感いたしております。このため、今後とも県教職員組合に対しまして事前協議の廃止について粘り強く理解を求めていきたいと考えております。
最後に、今後の教育行政の推進に当たりましては、何よりも公正を旨とし、また可能な限り透明性を高めることにより保護者を初めとする県民に対しまして説明責任を果たすとともに、教職員が安心して教育活動に打ち込める環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
また、児童生徒に確かな学力に裏づけられた21世紀に通用する生きる力を育成することが教育行政の最大の課題であると認識いたしておりまして、これに向けて誠心誠意努力してまいる所存であります。