平成16年第4回定例議会 一般質問

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1.死体検案業務の質の確保について

 法医学の第一人者、柳田純一著「死に方がわからない」で著者は、「人は単なる生物ではない。社会に生きている。単なる自然の生物は亡くなればそれですべておしまいである。しかし、社会的生物である人は亡くなってからもいろいろな社会的手続が必要となる。人は社会に生きて、いろいろな権利と義務とを有している。死亡するとこれらの社会的条件がすべてなくなる。そこできちんとした手続をしなければならない。手続を済ませないうちは、その人はまだ社会的に生きていることになる」と言っておられます。

 病気にかかって、医療を受けつつ、その病気で亡くなる、これが現代の我が国における普通の亡くなり方、自然死であります。片や、急病で医療を受ける暇もなく亡くなるケースや、自殺や自動車にひかれたり、海や山で台風や地震など災害による事故死、あるいは病死なのか犯罪に関連があるのか不明の疑わしい死に方があります。これらは異状死、つまり不自然死、あるいは変死として警察に届けられ、警察官立ち会いで医師の検案が行われているのであります。

 最近、社会情勢の複雑化や国際化の進展に伴い、犯罪や過失が疑われる不自然死が医療関連死等も含めて増加しており、大きな社会問題となっております。

 このような不自然死の死因を明らかにすることは、人権保護や治安維持、犯罪防止はもとより、公衆衛生、社会福祉の見地からも、ひいては医療技術レベルの向上のためにも極めて重要なことであります。これに対するため、死体解剖保存法第8条には、「政令で定める地を管轄する都道府県知事は、その地域内における伝染病、中毒又は災害により死亡した疑のある死体その他死因の明らかでない死体について、その死因を明らかにするため監察医を置き、これに検案をさせ、又は検案によつても死因の判明しない場合には解剖させることができる」と明記されています。

 現在、東京都23区、横浜、名古屋、大阪、神戸では監察医が設置され、積極的に行政解剖が推進されていますが、その他の道府県にはこれらの制度が設けられていないため、地域の警察署長が委嘱する警察嘱託医や警察協力医が対応する形になっています。

 必要に応じて、司法解剖のほか、承諾を得て行う承諾解剖が行われていますが、承諾解剖は行政の予算措置の問題があり、ごく一部にとどまっているのが現状であります。

 死体検案にかかわる医師は、社会的使命感を持って、所轄警察署の要請に応じて昼夜を問わず検視検案業務に従事しておられるようですが、生前に診療したことのない遺体について死因を明らかにすることは臨床医にとって難しいことがあり、殊に内因性急死の場合は極めて困難であると言われています。

 物言わずして死亡した人々の人権を擁護し、法のもとの平等を実現するため、また、犯罪を防止して安全な社会を実現するため、ひいては正確な死因の究明を通して地域の医療技術の向上につなげるため、体制整備を急がなくてはならないと思うのであります。

 本県では、現状は監察医が設置されていませんので、警察対応となっています。平成15年度中、不自然死として所轄警察より医師会に検視を要請された件数は1,066件であり、うち司法解剖は32件、承諾解剖、数件であります。   

 監察医が設置されている東京都における過去の平均的なデータを見ますと、外表検査のみで死因が判明するのは約70%、解剖を必要とする場合が30%となっています。
 このデータを大分県にそのまま適用しますと、おおよそ320件の解剖が本来必要と考えられますが、解剖の実態は十分の一程度しか対応できておらず、検案業務の質の確保の観点から大きな問題があると言わざるを得ません。
 
 また、検案医たちは、承諾解剖をして、その死因を究明し、社会に貢献したいと強く望んでおります。
 そこで、県警察本部長と福祉保健部長にお尋ねします。

 承諾解剖が極端に少ないのは予算措置がわずかしかなされていないことが大きな原因と思われますが、死体検案の実態はどうなっているのでしょうか。

 さきに申し述べました検案業務の質の向上を図り、社会の秩序を維持するため、また、医療技術のレベル向上により、知事のキャッチフレーズであります「安心」「活力」「発展」の県土をつくるため、財政面の措置を強く求めるところであります。ご見解を伺います。

 また、最近の社会情勢を踏まえて、茨城、沖縄、熊本、埼玉、秋田に見られますように、地域にある大学の医学部の協力を得て、準行政解剖制度が相次いで導入されていると聞いています。これの実態と、本県にも導入するお考えはないのか、伺います。

 3点目は、いろいろ申し上げてきましたが、理想といたしましては大分県にも監察医制度の設立が待たれるところであります。この点について、県としての見解を求めておきたいと思います。

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  【 答 弁 】
(警察本部長 鈴木 章文)

 死体検案についてのご質問でありますけども、私ども警察では死体検視業務を行っており、その現状を申し上げます。
 検視の対象となりますのは、いわゆる不自然死と言われる死体であり、これは、犯罪死体、非犯罪死体、犯罪によるか否か不明な死体の3つに分類されます。 刑事訴訟法、死体取扱規則、検視規則などを根拠に、警察嘱託医師などの立ち会いのもと、死体検視業務を行っております。

 それから、死体解剖でございますけども、3つに分類されます。刑事訴訟法に基づく司法解剖と、死体解剖保存法第8条により監察医制度が置かれた政令指定地域で行われる行政解剖、及び死体解剖保存法第7条により遺族の承諾を得て行う承諾解剖、これらがあります。

 本県警察におきましては、犯罪捜査活動の一環として、司法解剖と承諾解剖を実施しております。本年10月末の死体検視数は902体、解剖数は司法解剖43体、承諾解剖9体であります。

 なお、司法解剖につきましては、警察法に基づきまして国費で、また、承諾解剖につきましては県費で対応しております。


  (福祉保健部長 阿部 実)

 ただいま警察本部長から申し上げましたとおり、死因不明の場合に行われる解剖につきましては、司法解剖と監察医が行う行政解剖、また、遺族の承諾を得て行う承諾解剖があります。

 監察医が行う行政解剖は、司法解剖と同様、遺族の承諾なしに解剖できることとされておりまして、議員ご指摘のようにこの監察医は、監察医を置くべき地域を定める政令により大都市を抱える五都府県のみ設置が認められております。これは、人口の密集している大都市での集団伝染病や中毒の予防等を目的としているためであります。

 また、議員ご指摘の承諾解剖の制度のある県、例えば、秋田県では、死因調査研究事業として県医師会に助成する形で、また、埼玉県では、大学に委託する形で実施されていると伺いました。

 議員ご提案の承諾解剖の導入につきましては、公衆衛生上の各種施策との関連など検討すべき課題もございまして、今後、他県の取り組み状況も含め、調査研究させていただきたいと考えております。


2.現業職の見直しについて

 現業職員の給与水準が高いこと、人数が多いことなどの問題につきまして、これまでも再三にわたり早期に是正するよう指摘してきたところであります。これに対し、県当局は、行財政改革プランを踏まえ、組合に対し、給与水準の適正化、過員の早期解消及び運転業務の見直しの考え方を示し、労使交渉に入ったとの答弁をいただいておりましたが、新聞報道によりますと、去る11月5日に交渉が妥結したとのことであります。

 内容を見ますと、来年4月から給与構造を現行の通し号給から級制に改め、特別昇給のテンポも遅くする、また、現業職の新規採用も2年連続で見送る、さらに、職員を搬送する運転業務を来年度から原則として廃止することについて大筋で合意したとのことであります。

 私は、このたびの合意内容を高く評価し、県当局のご努力に敬意を表するものであります。また、一方で、組合におかれましても、厳しい見直し内容であったと推察されますが、現下の厳しい財政状況など諸般の事情を考慮されて決断したことに対しまして敬意をあらわす次第であります。

 私は、行革に取り組む職員組合の姿勢について、昨年7月の一般質問の中で、「時代が目まぐるしく大きく変革しているとき、組合員の価値観も多様化、複雑化しており、制度の見直しや改革の実行など、発想の転換も必要ではないかと思う。民間は生き残りをかけて労使協調路線をともに推進しているが、本県も労使協調を図り、自治体間の競争に負けないよう頑張ってほしいし、協調ぶりを県民に示していただきたいと思う」とただしてきました。これに対し知事から、「行財政改革を推進するためには職員組合の理解と協力も必要であります。このため、私は、プランの実施に当たり、危機的な県の財政状況を職員組合に十分説明し、問題意識を共有してもらうよう努めてまいりたいと考えております」との答弁をいただきました。

 行財政改革を進めていく上で私は労使関係のあり方がポイントであり、大変重要だとかねがね考えておりますが、そういう観点からこのたびの現業職見直し交渉妥結に対する知事の感想をお聞かせください。

 また、交渉の妥結内容につきましても、新聞報道で概要は承知しておりますが、改めて議会への説明を求めておきたいと思います。

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  【 答 弁 】
(県知事 広瀬 勝貞)


 行財政改革プランを踏まえまして、現業職の給与水準の見直し、あるいは過員の早期解消、運転業務の見直しにつきまして、これまで現業職員労働組合、高等学校現業職員組合及び教育庁職員組合の現業職員の皆さんと話し合いを続けてまいりましたけれども、去る11月の5日に組合の理解を得ることができました。

 とりわけ、給与水準の見直しにつきましては、年間給与が5年連続の減少ということに加えまして、本年七月から2%の給料減額によりまして職員の生活は大変厳しいものになっている中で、加えて現業職員につきましてはさらなる給料の引き下げという、職員の勤務労働条件を預かる知事の立場としては大変つらいお願いをしたわけでございます。

 話し合いに当たりましては、最後まで誠意ある対応をしていただきました。そして、最終的に理解を得ることができました。組合として、諸般の事情を考慮した苦渋の決断であったと思いますし、私としても大変感謝をしておるところであります。

 議員ご指摘のとおり、行財政改革を進めていく上で労使の関係は大変重要であると認識しております。このため、私は、就任以来、本県の危機的な財政状況を十分に組合に説明し、問題意識を共有してもらえるように努力をしてまいりました。

 本年7月からの全職員2%の給料減額に続きまして、このたびの現業職の大変厳しい提案につきまして組合の理解を得ることができたことは、いわば本県の生き残りをかけてこの難局を乗り切っていかなければならないという共通認識に立つことができたからだというふうに考えております。

 今後とも、職員と気持ちを合わせながら、組合の理解と協力も得ながら行財政改革を推進して、県民が将来に夢と希望を持てる大分県づくりに邁進してまいりたいと思っております。


(総務部長 福浦 裕介)

 1点目は、給与水準の適正化についてであります。
 まず、給料表の構造を年齢に応じた通し号給から職務内容に応じた5級制に見直すとともに、現行の特別昇給についても圧縮をいたしまして、昇給テンポを遅くいたしました。さらに、現業職のうち運転士などの技能職員の昇給停止年齢を現行の57歳から一般行政職員と同様に55歳に見直すことといたしました。

 これらの見直しによりまして、給与水準は現行のラスパイレス指数133から全国平均程度の124に是正をしていくことといたしました。
 なお、新給料表への切りかえは平成17年4月1日を予定いたしております。

 2点目は、過員の早期解消についてであります。
 過員解消策といたしまして、2年連続して新規採用を停止するとともに、17年度から広域的な人事異動を行うことといたしました。

 3点目は、運転業務の見直しについてであります。
 17年度から職員を搬送する運転業務は原則として廃止するということで大筋合意をいたしました。
 なお、現在の運転士の処遇につきましては、一時期にすべての運転士を配置転換することは現実的に困難であるため、在職者が希望すれば引き続き職員を搬送する運転業務に従事できる取り扱いといたしましたが、今後、退職不補充や配置転換を行うことによりまして必要最小限の運転士の数に縮小するということにいたしました。

 今後は、給与制度の適切な運用を図っていくとともに、現業職員の方の活用など、残された課題の解決に向けて努力してまいりたいというふうに考えております。


3.教育行政について

 教育とは、子供を自立させ、家族や社会の一員として、ひいては日本国民として誇りと責任を持って生きていけるように導く行為であります。その根底は、親と子供との信頼関係が不可欠であります。戦前までは、それは我が国の教育現場に色濃くしみついていましたが、戦後、教育基本法の制定や民法の改正により日本人がアメリカ流の価値観に染まってしまい、親子の信頼関係はだんだんと希薄になってきました。

 昭和22年、占領下でアメリカ主導のもと、教育基本法がつくられました。この特色は、第一にうたわれている個人の価値の尊重であります。このため、教育で個人の主張や意見、権利が過度に尊重され、逆に公共心は軽視されてきました。極端に言えば、生徒が教師の話を聞かなくても、また、校則を守らなくても、学校は、個人の権利という得体が知れないものに阻まれて、強くしかることができない、ほんのちょっとした体罰すら人権派教育者によって禁止されてきました。放任に近い自由のもとで育つ子供は、個人の権利を自由勝手と勘違いして、自分の主張はすべて尊重されると思い込んでしまいます。教育現場は、今こんな状態だと思っています。

 教育の現状を何とかしなければとの思いから、今回は、補助教材、テスト問題や教科書の採択について実例を挙げながら問題点を指摘してみたいと思います。

 まず、補助教材についてであります。
 昨年第4回定例会でも指摘しましたが、文部科学省から大分の教材について厳重注意が出され、これを受けて、平成13年10月に当時の石川教育長から「補助教材の適切な取り扱い」と題して各市町村教育長に通知が出されております。

 繰り返しになりますが、その内容は、学校における補助教材の選定に当たっては、学習指導要領等に適合したものであること、選定に当たっては校長の責任においてこれを採用すること、いやしくも保護者等から批判、疑念を受けることのないよう留意することとなっています。

 通知が出て、はや3年も経過していますが、本年度の小学校6年生用の「夏の友」、発行者大分県学校用品株式会社では、平和教育の項で広島の原爆を扱っていますが、その中で、米軍捕虜を虐殺した日本人であるとか、朝鮮人の死体にも差別した日本人といったことなどが強調され、子供たちの心には、原爆の被害とともに、父祖たちの残虐性や加害性が印象づけられる仕組みとなっています。副教材として不適格と言わざるを得ません。改善の跡が見られないことについて教育長はどの ような見解をお持ちでしょうか。  また、この「夏の友」を採用している学校はどのくらいあるのか、お尋ねします。

 石川県の例ですが、大分県の「夏の友」と類似しておる「夏休み帳」、発行者石川県学校用品株式会社を採用した公立小学校は、ことしは一校もなかったとのことであります。ご案内のとおり、この「夏休み帳」は、一昨年は石川県下257小学校中243校が採用していましたが、議会で問題となり、昨年は3校のみ、ことしは0校、なくなったわけであります。  
 申すまでもありませんが、私は、大分県学校用品株式会社という1つの会社の編集方針をとやかく言っているのではありません。学校現場がこの「夏の友」をなぜ採用したのか、また、このようなことを放置しておいて教育委員会が指導したことになるのか、疑念を抱くのであります。この点についても答弁を求めます。

 2点目は、テスト問題のあり方や社会ワークプリントについて伺います。
 本年度の小学校6年生社会科(歴史)テスト中、沖縄戦では、日本軍に殺されたり、集団自決を迫られたとあります、テストの文面中にあるわけであります。平成12年に大分市の保護者が文部科学省に直訴して改善を訴えたと聞いていますが、学校現場はこれを全く無視する形で、昨年もことしもこのテスト問題が使用されているのであります。集団自決に軍命令がなかったことは証明済みで、沖縄県教委も訂正していると聞いています。

 また、社会ワークプリントのテストでは、明治憲法と国会開設の項で、天皇がすべての権力を握る憲法であったと決めつけ、あしき権力者と印象づけています。天皇が権力を握るのが目的のすべてのような表現になっていますが、長い長い鎖国から開放され、西欧列国の脅威にさらされながらも近代国家を建設しようとしていた時代の背景には全く触れておらず、偏向した表現になっております。

 小学校の学習指導要領には、「天皇の地位については、歴史に関する学習との関連を図りながら、天皇についての理解と敬愛の念を深めるようにすること」と明快にあり、明らかに指導要領を逸脱しており、教材としては極めて不適切と言わざるを得ません。このまま放置することは問題ありと考えます。ご所見を伺います。

 3点目は、中学校教科書の採択に当たり、静ひつな環境確保について伺います。
 来年は中学校教科書の採択の年であります。文部科学省は、教科書の選択際しまして静謐でありますがでありますけども、静謐な環境を確保するよう指導が出されておりますことは既にご案内のとおりであります。

 前回、4年前、採択事務の期間中に学校の担任が保護者を集めてミニ懇を開いて、ミニ懇談会の略だと思いますけども、ミニ懇を開き、特定の歴史教科書、扶桑社という会社の批判を行い、採用を阻止する呼びかけを組織的に行っています。勤務時間外とはいえ、明らかに公の立場を利用した政治活動であります。

 また、4年前、大分合同新聞を初め全国紙に、県教組などを呼びかけ人とした同教科書の採択阻止をねらった全面広告を掲載し、文部科学省から懸念のコメントが報道されておりました。

 このような特定の教科書に対する組合の露骨な攻撃が地区選定協議会等で採択事務に当たる教師に多大の影響を与えるのは必至であり、明らかに公正を欠くものであります。静謐な採択環境を確保する観点から、教育委員会として何らかの事前の措置が必要と考えます。ご所見を伺います。

 4点目は、県教育委員会が作成する選定資料のあり方について伺います。
 選定資料は、学習指導要領に照らして各社の教科書を十分に調整し、比較検討して作成しなければなりません。この選定資料は、市町村教育委員会が採択を実施するときの指針であり、指導、助言の資料としての役割を担っているものであります。ところが、前回の選定資料を見ますと、どこにも学習指導要領に照らした跡が見えず、整合性がないのであります。

 ここに東京都教育委員会の選定資料があります。逐一、学習指導要領に照らし、比較研究の跡が明白であり、しかも具体的でわかりやすく、大分との大きな違いを認めざるを得ません。

 来年の中学校歴史教科書の採択に当たって、選定資料の作成については、学習指導要領に準拠していることを最重要要件として選定基準を明確に打ち出していただき、市町村教育委員会の採択事務を援助してほしいのであります。決意のほどをお聞かせください。

 5点目は、地区採択協議会における採択のあり方について伺います。
 ここに、ことし実施された大分地区の小学校の教科書採択の議事日程、協議内容、協議会委員名簿、専門教育委員名簿など一連の資料を持っております。期間中、校長、教師集団で構成されている地区選定協議会は2回持たれていますが、社会科について調査してみますと、選定協議に当てられた時間は、報告書の作成まで含めて延べ6時間であります。5社ある教科書を学習指導要領に照らして精査できる時間にしては余りにも少なく、検討不十分と言わざるを得ません。さらに、報告書を受けた教育長、PTA会長13名で構成されている地区採択協議会が協議した時間はたったの30分であります。この事実は、教師が、地区選定協議会の教師集団が選定したものがそのままフリーパスで採択されているに等しい状況であり、教育委員やPTA会長などの役割が形骸化しているのではないかと懸念を抱くのであります。このことについての見解と対策について伺います。

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【 答 弁 】
(教育長 深田 秀生)


 ご質問の5点につきましてお答えをいたします。
 まず初めに、「夏の友」についてお答えいたします。
 「夏の友」などの補助教材の選定に当たりましては、校内に選定委員会を設置し、その内容が有益かつ適切であるか否かの観点から、2つ以上の教材を比較考量の上、学校長の責任において決定し、当該市町村教育委員会へあらかじめ届け出を行うことになっております。

 議員ご指摘の「夏の友」につきましては、いろいろな考えがあることも承知いたしておりますが、学習指導要領の内容に照らして逸脱していないと考えております。

 また、採用学校数につきましては、県内の小学校では、平成12年度は362校中358校であったものが、今年度は310校となっており、なお、中学校では、平成12年度は153校中121校であったものが、今年度は50校となっております。  

 県教育委員会では、これまでも補助教材の適正な取り扱いについて通知し指導を行ってまいりましたが、今年度からは新たに校長所見票を加えた調査を実施し、採用目的や教材の有効性などが一層明確になるよう改善したところであります。

 さらに、その調査結果をもとに、新たに市町村教育委員会のヒアリングを実施し、内容の公正確保や選定手続の透明性を一層高めること等について確認し、指導してまいりました。

 今後も、より一層適正な取り扱いを期するよう、引き続き市町村教育委員会を指導してまいりたいと考えております。  
 次に、歴史テスト等についてお答えいたします。
 学校においては、学習指導の一環として、授業の途中や単元の終わりに、児童生徒の学習内容の理解や定着を助ける目的で、テスト問題やワークプリントを効果的に取り入れております。

 議員ご指摘の小学校六年社会科歴史テストや社会ワークプリントにつきましては、市町村教育委員会が学習指導要領に適合しているものと判断し、使用されているものと考えております。

 県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会が学習指導要領の内容に照らし、適正な手続を経て補助教材の選定がなされるよう、引き続き指導してまいりたいと考えております。  次に、中学校歴史教科書の採択についてお答えいたします。

 教科書の採択に当たりましては、議員ご案内のように、外部からの不当な影響により採択結果が左右されることのないよう、適切な対応がなされなければならないものと考えております。

 各市町村教育委員会は、県内6つの各採択地区ごとに設けられました地区採択協議会において、下部組織である校長及び教員の調査員から成る地区選定協議会の調査研究結果を参考にしながら協議し、使用すべき教科書を採択しております。

 今日、教科書採択に関する社会的関心が高まる中、県教育委員会では、市町村教育長会議、採択事務説明会等を通して、市町村教育委員会等に対しまして採択の公正確保についての指導をしてまいりました。

 今後とも、特定の団体の組織的な活動によって不当な影響を受けたり、一部の者のみの意見によって決定されることのないように、市町村教育委員会が採択権者としての権限と責任のもと、主体性を持って適正かつ公正な採択を行うよう指導してまいります。

 次に、採択における選定資料についてお答えします。
 選定資料は、県教育委員会が学習指導要領の目標及び内容に基づいて作成し、採択に関する市町村教育委員会への指導、助言の1つとして示すものであります。

 その作成に当たりましては、学習指導要領のねらいを達成しやすくするために、編集の上でどのような配慮がなされているかを調査研究の主たる観点として、具体的には、単元、題材の選定や内容の取り扱いが適正であるかなどの比較検討をし、それぞれの教科書の特色を明らかにしております。

 今後もさらに、学習指導要領の目標及び内容に基づいた選定基準により一層充実した選定資料となるよう努めてまいりたいと考えております。

 最後に、地区採択協議会についてお答えいたします。
 県教育委員会といたしましては、これまで市町村教育委員会に対しまして、教科書の採択に対する公正を確保し、県民の理解と信頼を深めるため、教科書の調査研究を充実させるよう指導してまいりました。その結果、本年度は、地区選定協議会の調査員が各自で調査研究できる期間を延長した、編集趣意書や選定資料を調査研究に活用するよう事前に配布した等の工夫改善の見られた地区もあると伺っております。

 県教育委員会といたしましては、今後とも採択権者である市町村教育委員会に対しまして、十分な調査研究期間を確保し、主体的な採択が行われるとともに、採択結果に対し、説明責任を果たせる取り組みを推進するよう指導してまいりたいと考えております。


3.教育の日の制定について

 敗戦後、半世紀を経た現在、国際化や情報化の進展、環境問題の発生など急激な社会の変化に伴い、各分野に憂慮すべき状況が生まれてきています。このことにかんがみ、全国連合退職校長会が平成九年度より教育の日制定に動き出し、これを受けて県退職校長会が呼びかけ人となって、大分県教育懇話会が中心となり、幅広い運動が展開されてきました。県民の教育に対する関心を高めるためにさまざまな事業を行ったり、地域の学校教育並びに生涯教育の振興の機運情勢に努めたり、行政への陳情、要望活動などを行ってきました。また、議会でも本年第1回定例会で吉冨議員さんが質問されたり、本年第3回定例会に請願書が提出されるなどさまざまな動きが出ており、制定に向けてまさに機が熟したとの感があります。  そこで質問ですが、教育の日制定についての知事のご所見を伺います。
 あわせて、条例の制定はいつごろになるのか、お尋ねします。

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【 答 弁 】
(県知事 広瀬 勝貞)


 私は、発展可能性豊かな大分県を築いていくためには、知、徳、体のバランスのとれた生きる力を身につけた子供たちを育成することが大変重要であるというふうに思います。

 このような観点から、知事就任以来、厳しい財政状況の中ではありますけれども、小学校第1学年を対象に30人学級を導入するとともに、小中学校において基礎、基本の定着状況調査を実施し、その結果をもとに学校や地域で学力向上対策を話し合う体制づくりに取り組んでまいりました。

 さらに、来年度からは養護学校高等部の分教室を新たに設置するなど、教育委員会とともに未来を担う子供たちの豊かな才能を伸ばす教育の充実に取り組んでおります。
 今日、教育をめぐっては、子供たちの学力低下に対する懸念、あるいは倫理観や公共心の低下、あるいはまた基本的生活習慣や社会性の欠如、家庭や地域の教育力の低下といった難しい課題が山積しております。

 私は、このような現在の子供たちの抱える問題は、大人の社会の一面を色濃く反映したものでありまして、教育の担い手である学校、家庭、地域と行政がそれぞれの役割を強く認識して、その責任を果たすとともに、信頼と協働のもとに子供たちの教育に取り組む必要があると考えております。

 したがいまして、教育関係者のみならず、すべての県民が身近な場所で教育について真剣に話し合う、多様な機会を提供することとなる教育の日の制定は、県民の教育に対する意識高揚を図る上でも極めて有効な取り組みと考えます。
 また、その意味では、教育の日は、ただ県の方で制定するということではなくて、広く県民に支持されて制定されることが重要であるというふうに考えます。

 さきの県議会で、教育の日の制定を推進する団体から出された教育の日条例制定に関する請願が全会一致で採択され、また、県教育委員会には、県下58市町村すべての教育委員会から、さらには県内のさまざまな団体からも制定に関する要望書が提出されていると聞いております。教育の日制定に向けた県内の機運も大いに盛り上がっているというふうに認識しております。

 私といたしましては、こうした状況も真剣に受けとめまして、教育委員会とも協議しながら、本県にふさわしい教育の日の制定に向けた準備を進めて、できるだけ早く条例案をお諮りしたいというふうに考えているところであります。


5.再質問

 時間が限られておりますので、内容を絞って申し上げたい。
 まず、検案の関係を1つだけ。
 時代が随分変わってきておるわけです。10年、20年前は、死亡事故といいますと、本当にお金に困って、お金が欲しいとか物が欲しいということで人を殺したり、あるいは男女の愛のもつれとか、大体相場が知れておったわけですけども、今はまさに複雑になっております。保険金を取るためとか、人を殺したくなったから殺したとか、さまざまな要因が複雑に絡まっていますので、社会の秩序を乱す事件やあるいは突然死などありますので、医学的な見地からも、解剖をしなければならないと思うのであります。旧態依然としてた今の予算のつけ方に大きな疑問を感じているのであります。

 聞くところによりますと、一体解剖するのに30万あれば十分できるということでございますので、例えば、50体ふやしても1,500万円ですから、財政的に厳しい中ではありますけども、社会の秩序を守るという観点から、あるいは医療の技術を上げるという観点からも、選択と集中ではありませんが、発想を変えて検討していただきたいのであります。
 
そして、大分大学に立派な医学部もあるわけですから、その連携を深める中で、今の時代に合うような体制を早くつくってほしいと強く求めておきたいと思います。

 次に教育問題、教育長の答弁を聞いておりまして、がっかりしました。あなたの答弁を聞きながら、私、こういうことを思い出しました。H2O、これ水の分子式なんですが。教育界では、H2Oって何かちゅうたら、Hが2つ北海道と広島なんです。Oというのは大分なんです。組合の強いご3家と、こう言われています。これ常識なんです、教育界では。それほど組合がしっかりしておる。組合がしっかりしておるのは結構なことではありますが・・・。

 それからもう1つ、若干問題あるかもしれませんけども、実は私の同級生で校長を見事に勤め上げた親しい友人がおりますけど、ついせんだって久方ぶりにお会いしまして、教育論の話になりました。彼からこんな話が返ってきたんです、びっくりしましたけども。今、現役ではありませんが、ある教組団体におられた元議員が学校現場に来たときにいつも言う言葉があったとのことです。何を言うんかちゅうたら「皆さん、心配せぬでもよろしい、組合の活動家を教育委員会にきちっと配置して、しっかりと守っていきますから」こういう話をよくしとったぞ、渕君と、言っておりました。

 はっきり申し上げますと、教育長はいろんな面でご苦労されて頑張っておると評価していますが、私が心配することは、とりまきが悪くて、あなたが孤立化しておるんじゃないだろうか、ご苦労が多いんじゃなかろうかと、こんな思いもしたところであります。改革をしようと教育長が頑張っても、すぐ近くに抵抗しようという集団が何人もおるわけですから、随分仕事がやりにくいだろう、ご苦労されておると、このように思ったわけです。ついそれを思い出してしまいました。

 それで、あえて申し上げたいわけでありますけども、「夏の友」、それなりのシステムを経て採用されたものだから、問題はないと、私の質問に反論されましたが、このことについて教育長とひざを交えて議論をしなければなりませんが、内容は大いに問題ありと反論します。石川県の「夏休み帳」は石川県学校用品株式会社、大分の「夏の友」は大分県学校用品株式会社、同じ系統が同じ中身で編集している「夏の友」なんです。石川県が何故2年間で採用していた学校がゼロになったんですか。大分は中学校は半減しておるじゃないですか。小学校は全然変わってないじゃないですか。

 大分県学校用品鰍ェつくるのは勝手ですから、それはいいんですけども、採用する過程というのが本当にしっかりと議論されて検討されておるんだろうかと思うわけであります。

 それから、実は、静謐な環境を確保してください、事前の対策が必要じゃないですかという質問項目があったと思うんですけど、このミニ懇という資料を事前に教育長に届けておきましたが、この資料を見てください、びっくりしますよ。扶桑社という1企業を、私は扶桑社の顧問でも何でもありませんけども、会社の実名をあげて、全く悪質な教科書で採用できませんと攻撃しています。

 そして、教科書問題とは、韓国と中国から問題にされてやり玉に上げられたということが教科書問題となっています。

何がそんなことが教科書問題ですか。教科書問題とはそんなもんじゃない、本質的なものなのです。それは、韓国と中国がどんなに批判をしようと、日本の国で決めたことは日本の国でやっていったらいいわけですから。子供達の教材として最も適切なものはという本質的な問題であります。いろんな教科書の会社があるわけですから、それぞれの会社を比較して、中味を精査し、特徴を表して、議論することが中心でなければなりません。その中で先生方、そしてPTAとかいろんな方々が相談をして決めて採用していくというのが僕は本当のやり方だと思うんです。これが教科書問題だと思うんです。韓国と中国がやり玉に上げてきたのでこれは一大事やと。2001年の資料ですから、ワールドカップはできるんだろうかと書いてある。とんでもねえ資料です。

 そして、自分達の教材を産経新聞が攻撃してきた、新しい歴史教科書をつくる会が私たちに偏向しているといって攻撃してきた。こんな内容をPTAのお母さんを集めて話しとるんです。時間外ですからいいですけど、しかし、これは明らかに政治活動です。こんなことを県の教育委員会が見過ごしていいんですか。問題あると思います。この点については、教育長、答弁してください。

 それから、新聞社の名前を挙げて悪いですけども、大分合同新聞社も、全国紙の朝日も毎日も、みんな取り扱ってるんですけども、前回の2001年の教科書の採択のときに、扶桑社の教科書を採用するのをやめましょうというキャンペーンを張ったわけです。呼びかけ人に県教組がなっています。新聞広告も持っておりますけども。そのときに、1口1,000円で、目標を1,600ということで募集をしたら、県の職員組合も賛同したようですが、何と3,000集まったようです。300万集まったわけです。そのお金で一面全部使って堂々と広告出しています。これに、文部科学省から問題がありというコメントが出ています。静謐な環境が確保できないという指摘がされています。

 私が求めたいことは、選定の時期が来ておるわけですから、前回のような新聞広告などの事前運動はさせないよう、県の教育委員会として指導してほしい、リーダーシップをとってほしい、この強い思いがあって申し上げているわけであります。やりたい放題、したい放題で放任しておいていいのかということであります。

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【 再 答 弁 】
(教育長 深田 秀生)


 まず、ミニ懇の問題でございますけども、このミニ懇につきましては、これまでも県民の皆様からこういう情報があった時点で、市町村教育委員会、学校現場につきましては指導してまいったところでございます。特に県教育委員会といたしましては、法に抵触をするような形のミニ懇の参加の呼びかけにつきましては、今後とも服務監督者である市町村教育委員会等を通じまして指導を行ってまいりたいと、このように考えているところでございます。

 それから、採択に当たりましての静謐な環境につきましては、先ほど答弁させていただきましたけども、今後とも特定の団体の組織的な活動によって不当な影響を受けたり、一部の者のみの意見によって決定されることのないように、市町村教育委員会が採択者として権限と責任のもと、主体性を持って、こういう影響を受けないように指導を行ってまいりたいと、このように考えております。


6.最後に・・・

 さまざまな課題もあると思いますし、いろんなことがあると思いますけども、ぜひ教育長、頑張ってやってほしい。あえてエールを送っておきたいと思います。終わります。



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