平成17年第3回定例議会 一般質問

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○はじめに

 質問に入ります前に、台風14号は6日夕方から夜にかけて大分県に最接近し、竹田市倉木では4日午前5時からの総雨量が900ミリを超えたのを初め、湯布院町や竹田市で記録的な豪雨となり、各地で土砂崩れや河川がはんらんし、死者1名、3名が行方不明になるなど大災害が発生いたしました。

 被災されました皆様にお見舞いを申し上げますとともに、行方不明になっておられる方々の一刻も早い救出を心からお祈りをいたします。また、復旧に当たって、県当局におかれましては特段のご配慮をお願いしておきます。

1.地方機関の再編について
 
 (1)地方振興局数について

 県では、去る8月に地方行政機関の再編案を発表いたしました。再編案では、これまで12カ所あった地方振興局を六カ所に再配置し、県税事務所では、高田、竹田両県税事務所を廃止し、新たに豊後大野市に県税事務所を配置することとなっています。また、土木事務所は、道路、河川等の管理や維持補修、さらに災害時の現場対応があることから、現行の12事務所体制を継続することとなっています。

 特に、地方振興局は、昭和17年に現在の12カ所に地方事務所が配置されて以来、60年以上が経過しております。その間、再編の動きもありましたが、さまざまな論議の中で今日に至っております。

 地方分権が進められる中、本県では全国でもトップクラスの市町村合併を実現し、三位一体の改革と相まって、いよいよ真の地方の時代が訪れようとしております。また、それは地方経営の時代を意味するものであり、行財政改革の歩みをとめれば、自治体はすぐさま財政再建団体に転落するおそれも出てきております。

 このような状況において、今回の地方機関再編の基本的な考えは、至極当然のことと考えますが、12カ所の地方振興局を6カ所に集約するという案には、いささか疑念を挟まざるを得ません。なぜならば、ここまで行財政改革を進め、職員定数も1割削減する計画でありますが、先ほども述べましたように、地方は今よりさらに厳しい状況に追い込まれることは必定であります。その際には、さらに踏み込んだ職員定数の削減も予想されることから、地方振興局を思い切って3カ所ぐらいに集約してもよかったのではないかと考えています。

 また、去る6月15日から2日間、地方機関再編を主要調査項目とする我が党の総合政策調査会が広島県と愛媛県を訪問し、地方機関再編と権限移譲について、県庁の担当者と直接、意見交換をしてきました。広島県では、平成13年度に七カ所に再編し、県の分権推進計画に基づき、平成20年度を目途にさらに3、4カ所に再編するとのことでありました。また、愛媛県では、昭和55年から5カ所の体制でありますが、平成20年には3カ所に再編するということになっており、さらに、両県とも市町村への権限移譲を並行して進めるというものでありました。これらの調査結果も、私の3カ所への集約の論拠でもあります。

 さらに、地方振興局が廃止される地域には、再編後4年間に限り、地方事務所を設置することとなっていますが、これは、今まで申し上げた状況を踏まえますと流れに逆行しているのではないかと思います。

 (2)市町村への権限移譲を積極的に
 再編案では、市町村への権限移譲について、市町村合併の進展に伴い、新市の行政区域の拡大とともに、人的、財政的規模の拡充強化により行政能力が一層向上することを踏まえて、本県独自の権限移譲を積極的に進め、移譲するに当たっては、受け手である市町村の意向を十分に踏まえ、理解を得ることが重要であり、今後、県と市町村で合同検討委員会を設置し、平成18年度中に結論を出すこととなっております。
 これについては、ぜひとも積極的な権限移譲を進めるとともに、可能な限り早く結論を出していただきたいと考えています。

 以上、大きく3点について論じてきましたが、1点目の地方振興局数については、今回の再編後、できるだけ早期に第二弾の再編に着手していただきたいこと、2点目は、地方事務所の設置が時代の流れに逆行しているということ、3点目は、市町村への権限移譲を積極的に、可能な限り早期に進めていただきたいこと、この3点について広瀬知事のご所見をお伺いいたします。

 (3)教育事務所の再編について
 教育事務所については、教職員の人事や給与等の総務系業務や学校教育、社会教育における指導系業務の観点から見直しを行うとされたのみで、具体的な再編案は示されておりません。
 私は、知事部局の地方機関再編と軌を一にして、教育事務所も再編すべきと考えます。その論拠として、市町村合併が進み、合併新市が誕生し、従来の市の規模が拡大するなど、教育に関して権限移譲できる環境が整いつつあるからであります。

 本来、義務教育は、市町村を基本として考えられるべきですが、現行制度では、教職員の身分は学校を設置している市町村に属しておりながら、その給与費の負担や人事権は県に属しているという二重構造が、市町村の教育行政に対する消極性や創意工夫の不足を生んでいるのではないかと危惧しています。

 一方、他県に目を移しますと、三重県の教育委員会は、7カ所の教育事務所を全廃し、平成18年度から教育事務所が担ってきた業務を本庁に一元化することを検討しています。市町村合併に伴い教育行政体制を強化する市などがふえつつあるほか、地方分権の観点からも合併を契機に地域の実情に応じた主体的な取り組みを市町村教委に一層進めてもらうことが望ましいと判断したことによります。教育事務所の全廃は、今年度から実施した和歌山県教委に続き全国で2例目になります。

 実務的には解決すべき課題は多いとは思いますが、私は、このような思い切った取り組みが今こそ必要ではないかと考えるのであります。教育長のご所見をお伺いします。



  【 答 弁 】
 (大分県知事 広瀬勝貞)

 時代の変化、あるいは県民のニーズにこたえまして、県が地域で果たすべき役割は、広域的、あるいは専門的な分野、例えば、新市の周辺部となった旧町村部への効果的な支援だとか、企業的農家への専門性の高い普及指導とか、あるいは大消費地をターゲットにした広域的な産地づくりなど、大きく変わってきているものと認識しております。このように新しい県の役割を適切に果たすために、また、県の行財政改革を推進するために、このたび地方振興局の再編を行うこととした次第でございます。

 この再編案につきまして、何点かご指摘をいただきました。
 まず、議員ご提案の第2弾の再編に着手することについてでございます。
 私どもといたしましては、県が地域において果たしていくべき役割を考えますと、現在お示ししております6つの地方振興局案は、現場と県庁が一体になって県政の諸課題に取り組むために必要最小限のものと考えております。今後、速やかに新しい地方振興局の体制を確固としたものにし、今まで以上に職員が現場に出かけていき、むしろ体制が強化されたと評価されるようにしっかり取り組んでいくことが肝要と考えております。

 次に、地方事務所の設置についてでございます。
 現在、新市が立ち上がる過渡期にありまして、市町村合併を推進してきた県といたしまして、その行財政運営に十分な支援を行わなければならないと認識しております。こうした観点から、地方振興局がなくなる地域に平成21年度までの4年間に限りまして地方事務所を設置して、必要最小限の人員を配置することとしたわけでございます。地方振興局の再編過程における激変緩和措置と考えてもいいのではないかと思います。

 なお、地方事務所には、パスポート発給、情報公開、簡易な申請書の受理等の総合窓口もあわせて担当させるなど、可能な限り住民の利便性の確保に努めてまいります。

 最後に、権限移譲についてのご指摘もございました。
 新市は、合併によりまして人的、財政的規模が拡充されまして、行政能力が向上していくことから、例えば、市町村において手続ができることにより住民の利便性や住民サービスが向上する事務、あるいは地域の特色を生かした自主的なまちづくりが可能となる事務等を市町村に移譲し、基礎的自治体としての役割を確固たるものにしていきたいと考えております。
 その際、大事なことは、県が権限移譲によって仕事を市町村に押しつけるということにならないように、十分な市町村の受け入れ体制を構築することが必要でございます。このため、合併後の新市に対しまして、新たな福祉事務所のサービスを円滑に行えるように、県職員の派遣を行っています。さらに、今後の権限移譲に際しましては、市町村における専門家の育成、職員研修等に対しまして支援をしてまいります。

 今後進めていく移譲する事務の選定に当たりましては、新市の体制整備にも配慮して、受け手である市町村とも十分協議して、理解を得て、来年度中に権限移譲計画を策定できるように努めていきたいと考えております。

 【 答 弁 】
 (教育長 深田秀生)


 教育事務所の再編についてお答えいたします。
 今回の見直しは、合併後の新市教育委員会との役割分担を整理、明確化した上で、教育事務所は高度専門的な教育課題等に重点的に取り組むことを基本に、業務の効率化、組織の簡素化を図ることを基本的な考え方としております。
 小中学校教職員の人事や給与負担につきましては、現行制度では県が権限と責任を負っておりますが、できる限り市町村の権限と責任を強化するため、給与事務のうち扶養手当などの認定権限を市町村に移譲するとともに、事務職員の1人配置が大半を占める学校の事務を拠点校において共同で行い、給与・旅費事務の効率化を図ることとしています。

 また、学校教育などの指導業務につきましては、教育課程や学習指導などの日常的な指導は市町村が主体的に行い、県は、研究指定校の指導や教職員研修の実施、学校危機管理の支援など、高度専門的な事項や学力向上など地域の課題に取り組むこととしております。

 このような業務の効率化と組織の簡素化によりまして、六事務所合計職員定数を、現行87名でございますが、平成20年度までに約20名削減することといたしております。

 こうした見直しにより県が取り組む業務を推進し、全県的な教育水準の維持向上を図るとともに、喫緊の課題でございます教育改革を着実に実行するためには、地域や学校現場に密着した業務執行体制を確保する必要があることから、現行の六事務所体制を維持することといたしました。

 なお、現在、中央教育審議会において、人事権の移譲を初め、義務教育の実施主体である市町村や学校に権限の移譲を進める議論が行われており、この論議の動向や国の制度改正、市町村の体制整備の状況等も見きわめながら、今後とも必要な見直しは行っていきたいと考えております。

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2.新長期総合計画について

 新長期総合計画は、去る9月7日、県民会議において最終案が公表されました。策定に当たっては、基本目標に「県民とともに築く安心、活力、発展の大分県」を掲げ、主役は県民の視点に立ち、構想段階から県民会議の参画を得て論議が進められてきました。我々県議会も素案作成段階からいろいろと意見を述べさせていただきましたし、執行部もそれに真摯に対応していただいたところであります。

 計画では、新たな地域間競争に打ち勝っていくため、本県の特色に磨きをかけ、弱点を克服する取り組みとして、豊かな天然自然・磨き輝き戦略、おおいた産業活力創造戦略、ザ・オオイタ・ブランド確立戦略など八つの重点戦略が定められており、今議会で我々議員に説明がなされた後、策定委員会で最終決定される運びとなっております。

 ここで、私の思うところを述べさせていただきます。それは一村一品という言葉、ブランドであります。
 ご案内のように一村一品は、平松守彦前知事が昭和54年に提唱し、300以上の品目が登録され、うち販売額10億円以上のものが18品目ありました。国内でも、東京を初め主要都市にその名が知られ、地元のデパートでは今でも物産展に一村一品のタイトルを冠しております。地元の経済界でも、一村一品のブランドは引き続き使ってほしいという声も耳にいたします。

 また、この一村一品は、中国、韓国、台湾、マレーシア、フィリピンなど広くアジア諸国の関心も集め、各国の首脳が本県の視察に多数訪れています。また、この運動がアジアの人材育成の拠点となる立命館アジア太平洋大学設立の契機になったことは周知のとおりであります。

 このように日本国内、さらにはアジア諸国に大分の産品のブランド名として定着している一村一品の文字が今回の新長期総合計画には見当たりません。

 さらに、ことしの7月6日にイギリスで開催された主要国首脳会議において小泉首相は、アフリカ支援策の1つとして、外貨獲得につながる特産品の輸出振興や産業人材の育成など民間活力を生かしてアフリカの自立を側面支援することとし、我が国がアジアの発展に寄与した経験を生かした、質重視の施策で世界への貢献をアピールしました。その中で、ガーナの化粧品用油脂やタンザニアのスパイスなどの特産品輸出を支援するアフリカ版一村一品運動で外貨獲得を支援するほか、金融や中小企業振興の分野で人材育成を支援することを表明しました。特に、一村一品運動による特産品の輸出拡大に向けた商品開発や販路開拓の支援では、ODA予算縮小の中、経済支援の額の大きさだけではなく、日本型の支援を強調しています。

 私は、この記事を読んで、一村一品は日本の首相までもが認めたブランドではないかと感じ入ったところであります。実際、私が中国の上海市を訪問した折にも、一村一品発祥の地、大分県で相手の理解を得るほど浸透していました。  そこでお尋ねします。これほど国内を初めアジア各国に浸透し、ブランド力を持った一村一品を使わない手はないと考えます。県政の継続という観点から、新長期総合計画においても、その精神を継承すべきと考えますが、広瀬知事はどのような所感をお持ちなのでしょうか、お伺いをいたします。



【 答 弁 】
 (大分県知事 広瀬勝貞)


 昨年8月以来、多くの県民、有識者のご協力をいただきまして、今回、県民会議において最終案がまとまりました。この間寄せられました数々のご意見、ご指導に対しまして、深く感謝を申し上げる次第であります。

 新長期計画案では、基本目標を「県民とともに築く安心、活力、発展の大分県」とし、県民が主役で、県民の多様な価値観を尊重し、県民の主体的な発想と活動を県は支援していくということとしております。
 大きな変革期を迎えている今、これからますます厳しくなってくる地域間競争に打ち勝つためには、まず何よりも地域自体が自立し、みずからの主体的な活動によりまして地域の魅力を創造していくことが大切であります。

 県民が主体となった活動が次々に生まれ、行政はそれをサポートしていくことで、より自由濶達な事業展開が行われ、また、効率的な行政が実現していくと考えております。
 一村一品運動は、24年間にわたって行政の指導のもとに展開してまいりました。この運動により、麦焼酎を初めとした産品が生まれ、また、アジアを中心に世界の各地域との交流が活発になっていることは議員ご指摘のとおりであり、また、我々の大きな誇りとするところであります。

 こうして長い期間の活動により一定の成果をおさめ、民間主導の事業展開が進んでまいりましたことから、より民間の主導性を高め、県はこれを後方から支援していくということとした次第であります。
 本年3月に財団法人大分県国際交流センターが解散した際には、同財団の運用財産である一村一品基金を、民間組織として事業を行うために設立されたNPO法人大分一村一品国際交流推進協会に移管したところであります。

 時代は移り、現在は経済がグローバル化し、情報通信が非常に高度化していますので、常に全国市場、世界市場のマーケティングを視野に入れて、名実ともに全国、世界に通用する産品づくりが求められているわけであります。
 こうしたことから、全国に通用する物産や観光の商品化に向けた首都圏アンテナショップを初め、爆発しようとしている中国市場をにらんだ上海での県産品プロモーション事業、そして、本年11月に22の国、地域から数多くの学生が別府に集い、観光の未来の姿を追求し、大分の誇る温泉など豊かな観光資源を情報発信する世界観光学生サミットの開催など、県内外に向けてさまざまな活動を通じて、全国、あるいは世界の市場に向けて挑戦をしてまいりたいと考えているところであります。

 また、県にとりまして基幹的な産業である農林水産業の分野におきましても、大手量販店による大量仕入れ、大量販売、外食、中食産業の需要増など流通の大きな変化の中で大量、周年の需要にこたえるために、これまで狭い地域にとどまっていた産品づくりにかわりまして、広域、県域での生産流通体制の強化によって我が大分県の農林水産物の競争力ある産品づくりを進めていかなければならないという時代になっております。

 今回の長期総合計画では、このような視点に立ちまして、一村一品運動から1歩も2歩も踏み出して、時代の風を先取りし、新たな地域間競争に打ち勝ち、全国、世界に向かって挑戦する大分県づくりを進めてまいりたいと考えているところであります。

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3.大分バスの再建について

 先月18日、大分バスは県に対して2千万円の出資要請をいたしました。同社は、116億円の有利子負債を抱えて、実質的に債務超過に陥り、ことし1月に整理回収機構に私的整理による経営再建の調整を要請いたしました。その結果、取引金融機関に30億円の債権放棄を要請、資本金の100%減資、新たに県ほか取引先企業などに2億5千万円の出資を募るなどを主な柱に経営再建を続けております。

 ここに至った原因は、バス部門の減収対策のおくれと小売業や宅地分譲など関連事業の失敗にあると言われています。特に、再建計画では、不動産事業などから撤退し、バス事業中心に事業を再編することとし、従業員給料や役員報酬のカット、社長の退任、営業所の統合などを余儀なくされています。

 現時点では西日本鉄道などが出資を承諾しておりますが、私が気にかかるのは、なぜ民間主導で再建できないのかという点であります。
 例えば、熊本市の九州産業交通の再建です。産業再生機構は、7月25日、支援中の九州産業交通のスポンサーを大手旅行会社エイチ・アイ・エスなどが出資する九州産交投資組合に決定したと発表しました。同社は、9月下旬までに同機構が保有する九州産交株すべてを取得することとなっており、「国際的に魅力の高い九州の観光産業の発展に協力できる」としております。

 また、宮崎交通も同様に民間主導で、これも地場企業を主体に全日空や西日本鉄道など交通や旅行事業にかかわる県外大手企業も参加しての再建であります。
 このように他県では民間主導で地方バス会社の経営再建が進められていますが、大分バスとの違いはどこにあるのか。そして、大分バスへの出資の意義をどう考えているのか、お伺いします。

 次に、大分バスは、去る5月、路線の廃止計画を県バス対策協議会に提出しております。それによりますと、旧国立大分病院である大分医療センター線の一部区間を初め、21路線が廃止対象になっていますが、バスは県民に欠かせない足であり、そのために国、県の補助金も出しております。
 そこで、大分バスの路線維持について、県が出資することとなれば、県内の他のバス会社以上に廃止路線を少なくしていくのが当然と考えますが、今後、どのように対処していくのか、お伺いをいたします。



【 答 弁 】
 (企画振興部部長 武田 寛)


 大分バスの出資についてお答えします。
 まず、熊本県、宮崎県のケースとの違いについてですが、熊本県や宮崎県は直接の出資はしておりません。しかしながら、熊本県では、熊本市と共同で新たに九州産業交通のバス路線に対する補助金を約4千300万円増額しております。また、宮崎県は、中小企業等支援ファンドに20億円を貸し付け、同ファンドから5億円を宮崎交通に出資しております。

 このように、いずれも民間主導を基本としながらも、必要に応じて県が支援をしているという状況は本県と同様であると考えています。
 次に、本県の出資の意義についてでございますが、大分バスは、県内のバス利用者数の59%を占めるなど、地域交通に重要な役割を担っており、再建の成否が県民の足に及ぼす影響は甚大です。

 出資には、大分バスが再建計画を着実に遂行できるよう、大分バスの公共交通機関としての位置づけをさらに明確にし、他の県内企業等からの出資の協力を得やすくするという意義があります。
 また、出資によって、計画どおり再建を果たすことにより、さらなる路線廃止の防止を図るとともに、今後、経営の安定と利用者の利便性向上のため、他のバス会社との相互乗り入れなどについて積極的に働きかけてまいります。

 次に、バス路線の維持についてお答えします。
 5月23日に大分バスから提出された21路線の廃止計画については、これまで2回、大分県バス対策協議会を開催し、住民も参加する中で存続に向けた協議が行われました。その結果、2路線は廃止することで合意となりましたが、他の19路線については、利用者の状況次第では存続の可能性がある路線もあり、何とか路線を残せないか、現在も地元自治体と大分バスとの間で協議が継続されています。

 県としては、出資する意義を十分に認識し、バス会社と自治体、住民とのパイプ役となって、こうした協議の場に積極的にかかわり、路線を廃止しないで済む知恵や工夫がないかなど、きめ細かく調整を図ることにより、路線の維持ができるよう努力してまいります。
 
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4.大分トリニータの支援について

 大分トリニータは、2002年のワールドカップ大分開催の招致活動を契機として、平成6年に県民、企業、行政が三位一体で設立した県民チームであります。
 県リーグからスタートし、JFL、Jリーグ二部、J1と着実に成長を遂げてきました。ただし、途中J1昇格には三年を要し、県民の期待の中で苦しんだ時期もありましたが、今では、ホーム競技場のビッグアイに毎試合平均二万人以上のサポーターを集め、県外から3千500人ほどの観客が訪れるほどになっています。

 また、18歳以下のサテライトチームの体制も整い、地域密着型の県民サッカーチームとして定着しており、この大分の地に大きなサッカー文化が芽生えております。このことは、全国的にも注目されています。

 しかしながら、今期は16位と成績も低迷し、リーグ途中の監督交代も余儀なくされております。多くの県民は、選手が経営危機に動じることなく、残り試合を頑張っていただき、何とかJ1残留を果たしてほしいと願っておりますし、私もその1人であります。
 先般、大分トリニータを運営する株式会社大分フットボールクラブが外部有識者による経営諮問委員会を設置し、同クラブの経営安定化の方策を諮問いたしました。委員会は9月1日に第2回目の会合を開き、委員長の深道春男大分大学教授は、会社の経営は危機的状況にあると発表しました。その主な要因は、胸スポンサーが長期にわたり獲得できなかったこと。そのため、昨年度は4億円を超える赤字が生じ、債務超過となり、民間からの融資は望めず、資金繰りが困難な状況にあるというものです。累積未処理損失は7億2千500万円、債務超過額は3億4千400万円に及んでおります。

 経営諮問委員会では、9月14日に第4回の委員会を開催し、大分トリニータが県民、企業、行政による三位一体の支援を得るために必要な取り組みとして、収益構造や管理体制の見直しを柱にした経営改革、県民への適切な情報開示、県民の理解を得ながら選手強化などを行う中期8カ年計画の弾力的運用、役員会の機能充実を掲げ、これを確実に実行することを条件に、同社の存続は可能とする一次答申を出しました。

 さらに、9月16日に広瀬知事に対し、今月21日までに緊急に必要な給料などの運転資金2億円について公的支援を要請したところです。これに対し、広瀬知事は、大分県文化スポーツ振興財団に緊急の貸し付けを要請し、昨日、19日、理事会で支援を決定したと聞きました。  そこでお尋ねをいたします。
 県として、大分トリニータの位置づけをどのように考えておられるのか。そして、今後、トリニータをどう支援していくのか、広瀬知事のご見解を伺います。



  【 答 弁 】
 (大分県知事 広瀬勝貞)


 大分トリニータの試合では、ビッグアイに毎試合2万人以上が集い、たくさんの若い人たちやお孫さんの手を引いたお年寄りがトリニータと一体となって応援しており、特に次代を担う子供たちは、トリニータの選手の活躍に夢や希望を重ねて、ひとみを輝かせて声援を送っております。また、その活躍は、テレビ、新聞を通じまして全国に発信されて、大分県のイメージアップにつながっておりまして、スポーツ交流や観光振興など経済的な波及効果 も大きくなっております。

 おかげさまで、今やトリニータは県民チームとして県民の間に大きな位置を占めようとしておりまして、将来に残すべき財産の1つとなってきていると考えます。
 そのトリニータが経営危機に陥った中で、県に対しまして経営諮問委員会と大分フットボールクラブが支援の要請に参ったわけでございます。

 私といたしましては、大分県民にとってのトリニータの意義については認めておりますけれども、公的にどこまでかかわっていくべきかにつきましては、大いに悩んだところであります。しかし、1つは、トリニータが県民の元気の源の1つになっていること、2つ目は、今回の経営危機に当たって、県も要請して急遽設立された経営諮問委員会におきまして、経営の状況、課題、将来の改善計画を審議し、県民を中心に企業、行政の三位一体の支援があれば何とか存続できるという結論があったこと、そして3点目に、資金ショートを目前にして、公的支援以外に手だてがないということなどの理由によりまして、大分県文化スポーツ振興財団に資金の貸し付けを要請したところであります。

 時間的な余裕がございましたら、県議会にあらかじめご説明し、ご理解を得て行うことが望ましいと思いましたけれども、経営諮問委員会の答申が14日、大分フットボールクラブからの支援要請が16日、そして支払い期限が21日と差し迫っておりましたので、対応が先行した次第でございます。  財団におきましては、19日に急遽理事会を開催して、2億円の貸し付けを決定していただきました。財団が貸し付けるに当たりましては、返済が確実に行われるように、大分フットボールクラブ取締役による連帯保証とともに、Jリーグの分配金を担保にすると承っております。

 今後のトリニータの支援につきましては、チーム設立の原点に立ち返りまして、県民、経済界、行政の三位一体の支援が成り立つかどうかにかかわっていると思います。  まず、経営の再建のためには、トリニータがいかに県民に愛され、支えてもらえるかが大切であります。チケット収入の伸びが経営安定化のかぎを握っておりまして、県民の皆さんに一人でも多くビッグアイに足を運んで応援していただけるように、さらに魅力的なチームにならなければならないと思います。

 次に、経済界からの支援もトリニータ経営安定化に不可欠でございます。このため、県内企業の皆さんのスポンサー支援などバックアップを得るように、これまた、会社に大いに努力をしてもらわなければならないと考えております。

 県といたしましても、今後、大分フットボールクラブの中期8カ年計画の実行状況を検証しつつ、県民の応援や経済界の支援等の動向を見ながら、トリニータを盛り上げていきたいと考えているところであります。

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5.予算編成過程の透明化について

 行財政改革による経費削減の取り組みが進む中で、その成果は着実に上がってきておりますが、一方で、県予算は5年連続で減少し、これまで長年にわたり実施されてきた事業が廃止されるなど、予算の選択と集中が進むとともに、道路などのハード整備から、食の安全、安心などのソフト対策へと、これまでとは内容的にも質的にも大きく変わってきております。

 知事は、県政運営に当たり、県民中心の行政を掲げ、ふれあいトークの実施などを通じて県民ニーズの把握に積極的に努められております。加えて、新たな大分県の長期総合計画の策定においても、地域の方々やさまざまな分野の方々と数多くの意見交換をなされております。このようにして新長期総合計画が策定され、その計画のもとに編成される来年度予算については、三位一体改革の推進による国庫補助金削減と税源移譲、地方交付税改革や総人件費の抑制などさまざまな財政を取り巻く環境の変化が予想されます。

 このような中で、今以上に県民意見を踏まえた予算編成を行うためには、どのような方法が考えられるのでありましょうか。
 例えば、鳥取県では、すべての要求事業の概要を締め切り後、早期に公表するとともに、財政課長、総務部長、知事の各査定段階ごとにその状況を公表しております。また、同じ九州の佐賀県や熊本県でも、要求の締め切り後、早期に要求状況を公表しています。このように、各県とも何らかの形で県民に開かれた予算編成を行っているようであります。

 一方、本県の状況を見てみますと、10月上旬に県政運営の基本方針が公表され、それを踏まえた予算編成方針が各部に通知されています。その後、11月中旬に予算要求が各部から行われますが、その要求状況が議会に明らかにされるのは2カ月後の翌年1月中旬になってからであります。その間には財政課における査定作業が行われているわけでありますが、そこでは、どのような事業が要求され、どのような議論が行われているのか、全くわからない状況にあります。

 近年、取り組まれている事務事業評価、あるいは政策施策評価の結果が予算編成に活用されているとしても、それだけで県民の意見が予算編成に反映されたとは言いがたいのではないでしょうか。

 そこで、これからは積極的に予算編成に関する情報を開示するなど、わかりにくい予算編成の過程を外部の人が理解できるような仕組みに変えていかなければならないと考えますが、今後の県の取り組みについてお伺いをいたします。



【 答 弁 】
(総務部部長 福浦裕介)


 予算編成過程の透明化についてお答えいたします。
 財政状況が厳しさを増す中、真に県民の求める施策を展開するため、これまでも事務事業評価や政策・施策評価を初め、選択と集中分野特別枠や部局枠予算を導入するなど、予算編成方法の改善に努めてまいりました。また、翌年度の予算編成の大枠をあらかじめ示すために、県政運営の基本方針を策定することとしております。

 さらに、このほど新しい長期総合計画を策定し、基本目標である「県民とともに築く安心、活力、発展の大分県」を実現していくためには、予算編成に関しても、より説明責任を果たし、その情報を県民と共有していく必要があると考えております。
 このため、18年度当初予算の編成に当たっては、まず、予算要求状況の公表時期を早めます。また、公表内容についても、部局別の要求方針や主要事業の概要、加えて、具体的な理由を付した廃止事業一覧をお示しするなど、充実を図ってまいりたいと考えております。
 また、要求状況の公表後、県民からのご意見をお受けするとともに、意見に対する対応結果も公表してまいりたいと考えております。
 今後とも、予算編成過程の一層の透明化に向けての検討を深め、県民に開かれた県政の構築と県民協働による施策の推進に努めてまいります。

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6. 再 質 問 

 権限移譲のことにつきまして、意見をちょっと申し述べてみたいと思います。財源をつけて権限を移譲するということは、地方の立場になりますと、仕事を押しつけられた、無理やり押しつけられたという思いには私はならぬと思っております。申し上げたいことは、権限移譲することによりまして、受ける側は、それを受け入れるための体制、人材とかそういうものが早く育ってくる、このように思うわけです。育つのを待って渡すというのではなくて、権限をどんどん、財源をつけて移譲していくことによって、人材も育つ、市そのものも自立が進んでいく、活性化につながっていくと、このように思っております。弾力的に考えて、慎重さも必要ですけども、運用してほしいと、特に強く要望しておきたいと思います。

 それから、武田部長の答弁、宮崎と熊本は県の出資はしてないけども、路線の維持について補助金を増額しておりますので、大分県と一緒でありますとの答弁だったと思うんですが、私は全然違うと思うんです。大分県が出資をする立場、言ってみたら経営に参画するわけですから、そういう立場と補助金を増額しサポートする立場とは全く違うと思います。部長がそんな感覚じゃ困るのであります。この議場で議論をしようと思いませんが、はっきりしておかなければならないと私は思っております。答弁は要りません。

 それから、最後にトリニータのことでありますけども、知事の答弁を伺いながら、まさに苦渋の選択、これしかないのかなと、そういう思いがいたしましたけども、ただ、私たちはある程度、大分トリニータがそういう事態に立ち至っておるということは想定できておりましたけども、一般の県民の立場に立ちますと、まさしく唐突に出てきて、しかも、あしたあさって給料払うのに銭がないんですと、突きつけられたような形になっておるわけでありますので、県民もびっくりしたと思いますが、これに理解を得られるには、大変な作業が要ると思っております。それから、トリニータについての新聞情報でありますけど、ここに出ておりますが、トライバルキックスという小室哲哉さんの会社がありますが、7千万が未収になっており、そのほか入れると1億ほど未収になっているとのことです。トリニータとしてどのような努力をされたのか。そして後援会の組織が、幅広く県民の支持を得ようと思えば、選挙ではございませんけども、きめ細かく幅広くという形で後援会活動をやっていかないと県民の理解と協力は得られないと思います。

知事の答弁にございましたように、三位一体の原点に戻って、後援会もできる限りのことは精一杯やった、もうやることすべてをやったけども、どうにもならない。大分県よ何とかしてくださいというのが本来の筋だと、思うんです。今、払う給料がないとの事ですので、2億円の融資は、苦渋の選択でやむを得ないと思ってはおりますけども、民間金融機関がこの会社には融資ができないというような実態でありますので、県が出すお金が果たして回収もできるのだろうかという心配も持っております。トリニータ関係者が、改革的な発想で、やるべきこと、例えば、サポーターが大分市を中心に、大分県中でカンパを呼びかける運動を大々的に広げて、当然、私たち議員も加わっていく、そういうような県民総参加の運動が生まれてこないと、県民の協力というのは簡単に得られないと思うわけであります。努力は必ずしも十分じゃなかった感が免れません。安易に県に融資を求めてきたと思われても仕方がない。努力すること、やる順序が逆になったかなと思っております。これからの運営に関しまして、県も2億の融資もするわけでありますので、きちっとした経営基盤をつくり、2億円が無駄にならないよう監視していかなければなりません。  したがいまして、その辺についてどの程度、事前に把握されて、どのようなやりとりがあったか、話せる範囲で結構ですから、お答えをいただければと思っております。

 大分の企業も支援の少ないと言われておりますが、体制が整えば、企業も安心してトリニータに賛助金を出そうという雰囲気が出てくると思います。県民・企業・行政が一つになった真の三位一体の体制づくり、これに尽きると思っておりますので、ぜひご努力もお願いしたいと思います。決意のほどをお聞かせいただければと思います。



  【 答 弁 】
 (大分県知事 広瀬勝貞)


 トリニータの件でございますけども、議員ご指摘のとおり、まことに唐突な感じを県民の皆さんはお持ちになったと思います。その点は大変残念だったわけでございますけども、私どももこういう問題が出てきそうだということで、急遽、会社の方に話をしまして、我々自身もお願いをして、経営諮問会議というのをつくっていただいて、そして、どこに問題があるのか、これからどうすればやっていけるのかということについて、つぶさに議論をいただいたという。そういう中で、先ほど申し上げましたような三位一体で努力をしていけば何とか再建ができるだろうという見通しも得たもんですから、今度、融資をお願いするということにした次第でございます。

 その過程で、ただいまご質問のありましたトライバルキックスとの関係も1つでございますけれども、これは、スポンサーとして応援をしてもらうという契約があったのは事実でございます。その後、過去からの状況の変化で先方からの入金が途絶えているということです。滞っているという会社側のあれと、先方は、いや、もうお断りしたはずだということとの行き違いがあるわけでございまして、この辺は引き続き事実関係を明確にして、適正な処理をしてもらわなきゃならないと、こう思っておりますけども、そのことが今度の融資に間に合えば、それが一番よかったわけですけれども、なかなか時間のかかる問題だろうと思います。今回の資金ショートを救う手だてとしては、長の方においてやらざるを得ないなということでやったわけでございます。

 今後、トリニータの会社と、それから先方の会社との間で処理をされるものだというふうに考えておりますけども、私の感想としましては、トリニータ、スポンサーをこれからいろいろお願いする立場にあるわけでございますから、余りスポンサーとの間で事を荒立てるというのは適当でない、しっかりと話し合いをして解決をしていってもらいたいというふうに考えている次第でございます。

 それから、今後の対応について、やっぱり大事なことは、1つは県民からの応援だろうというふうに思います。具体的には、後援会をしっかりと拡充し、また、できるだけ多くのファンの皆さんに来ていただくということが大事、最終的には入場料収入という形であらわれてくるということになるわけでございますけども、この件につきましては、やっぱりまだチームとして、会社として努力する余地があるんではなかろうか、地域に出かけていってファンをふやしていく、後援会を拡充していくというようなことも必要なんではないかというふうに考えております。

 後援会長に坂本休氏を得まして、新会長が精力的に地域を回っておりまして、全県的な地域後援会をつくるというような努力をしております。既に幾つか地域の後援会としてでき上がったものもありますし、今、設立途上のものもあります。全県的な広がりを持っていくというようなこともまた大事なことではないかというふうに思っております。

 もう1つは、経済界からの応援ということになりますと、これはスポンサー収入にかかるわけでございますけど、こちらの方は、やはりスポンサーとしてお金を出す、それも効果があれば高いお金を払うわけでございますから、やはりどれだけの魅力的なチームができるか、すばらしい試合ができるかということによるわけで、この点についても努力しながら、経済界の理解を得て、協力を得て、ふやしていくということが必要なんではないかというふうに思います。

 三位一体の応援ということで、県行政の方は2億円のつなぎ融資を何とかさせていただいたわけでございますけど、これからは、そういう県民、ファン、それから経済界の応援を得ていく努力を引き続きやってもらいたいというふうに思います。  順番としては前後した感はありますけども、これは緊急事態としてやむを得なかったということでご理解を賜ればというふうに思う次第でございます。


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